第13話 座頭市の公式 ~ AかBか知らんが・・・

 私が養護施設にいた小学生の頃のお話。

 その施設には、年に数度、土曜日の午後から、近くの男子校のJRCがボランティアに来ていました。学力という点ではかなり低い方と言われていた学校でしたが、来られていたおにいさんたちは皆気さくな、いい人ばかりでした。その顧問の先生、確か、「頭師(ずし)」先生という方でした。子どもらは鉄筋園舎の2階端の集会室兼保育室に集められて、毎回ね、映画を見せてくださった。


 確か、3年生ぐらいの頃だったかな。

 そのときは、黒澤明監督の名作「座頭市」を見せてもらっていました。

 途中、こんなセリフがありました。


 ザトウイチ(1)かザトニ(2)か知らねえが・・・(以下略。要は、勝負してやるぞ、という趣旨の言葉が続いた)!


 この「ザトウイチかザトニか」・・・の部分で、居合わせた子どもたちの間から、図らずも笑い声が。もちろん、そんなものを注意したりする野暮な職員はおりませんでしたが、でもまあ、何がおかしいのかと思った職員さんは、いたかもしれません。


 さて、このセリフを、このように公式化してみました。


 A か B か知らんが! ・・・・・・(あとは適宜)

 座頭市のセリフで言えば、Aは正式な用語、Bはそれをもじった何らかの言葉。


 ザトニかザトウイチか知らねえが・・・

 とすることで、AとBを逆転させることも可能ですね。

 要は、とるに足らない、あるいはまともに話す気も起らない対手を別の表現を用いることで対手を軽く「ディする」と言いますかね、そういう公式ができました。


 ミタかサンダか知らんが! ・・・・・・


 ミタというのは、東京都内の地名。サンダは、兵庫県にある地名。

 これを言うと、とある大学もしくはその出身者、それこそ、袈裟か坊主かの話になりますけれども(そういう記事が前にあるから、読んでみてね)、その地にある、公式で言うところのAにあたる地名に所在する大学のことに、なるわけです。

 どの大学かは、ここであえて名指しはしませんけどね。

 もっとも、ここで言うBの方、兵庫県三田市にも、関西圏では関東のAとよく似た傾向もないではない大学の理系学部がありますな(汗)。

 他大学でも、同じような表現、できないわけでもないでしょう。基本的にはけなしになりますから、これ以上の例は挙げませんけどね。


 大学に限らず、これはどんな局面でも使えると言えば使えます。

 ただ、めったに使うものではなかろうね。言うまでもなかろうけど、こんなこと相手に言えば、普通に反感の一つも買うでしょうから。もっとも、こちらが反感を受けていれば、このくらいで返してやってもええかもな。

 ただし、自己責任でお願いいたします(そらそうよ)。

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