第7話 万事が一事

 次は、「一事が万事」。

 本来は、ひとつ何かを見るだけで、全体が推し量れてしまうという趣旨のことわざですね。

 さあ、それでは逆転。


 万事が一時


 どうでしょうか?

 これも、すんなり当てはまるような気がしますな。どうでしょう。


 今度は、命題ではなく例文でやってみますね。


(例文1)

 あいつのあの行動だが、まさに、一事が万事というよりも、あいつの行動形態の万事があの一事に集約されていると言っても過言ではない。


 さあ、どうでしょうか?

 間違いとまで言えるでしょうか?

 ちょっと例文が下手でして申し訳ないけど、そういうことってあるのではないかと。でもって、逆にしても十二分に意味が通じやしないかな?


 もう一つ、例文。


(例文2)

 今回のコロナ対策における某大臣の失言は、それまで日本政府のとってきた対応のすべてがそのときに集約されていると言ってもいい事例で、一事が万事というよりむしろ、万事が一事の象徴的なものですな。


 あれれ?


 これでも、間違っているとは言えんでしょう。こんな感じで、もう一つさえが見られないのが玉に傷ですが、このことわざ、逆もまた成立しうることが立証できたと思われます。

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