第6話 袈裟が憎けりゃ坊主まで・・・

 これから少し、ことわざの逆はどうか、いろいろ分析していきたいと思います。

 まずは、「坊主憎けりゃ袈裟まで」。

 本来は、ある憎いものがあればその関連するものでさえも気に入らないという趣旨のことわざですね。


 さあ、それでは逆転。

 

 袈裟が憎けりゃ坊主まで


 どうでしょうか?

 意外と、これも当てはまるようなことがあるのではないでしょうかね。

 例えば、こんなの。これから出す命題の主語は、「話者」とします。


(命題)

 X大学出身者に気に入らない奴が何人か、具体的には2人ほどいる。

 どちらもしつこく粘着質で・・・・・・(以下罵倒のため略~苦笑)。

 よって、私はX大学出身と聞くだけでその人間は気に入らないし信用もしない。

 ちなみに、さっきの二人ほどではないけど似たようなX大出身者がいたので、思いっきりお前らは信用できんと言ってやった。そうだな、5人ほどかな。


 さあ、どうでしょうか?

 

 話者の気に入らない人物が2名いる。それがたまたまか必然か、2人ともX大学出身者である(学部までは不問。できれば違っているほうがリアリティあるかな)。こちらを坊主ととらえれば、X大学は袈裟である。よって、坊主憎ければ袈裟までが成立する。


 間違いではないと思う。

 でも、逆にしても十二分に意味が通じやしないかな?

 さあ、やってみよう。


 話者としては、X大学全体を坊主と仮定するならば、その袈裟の、ほんの一部にあたる2名の気に入らないX大学の卒業生という「袈裟」がある故に、1年で何千人もの卒業生を毎年出すX大学という「坊主」さえも憎くてたまらないのである。よって、袈裟が憎けりゃ坊主までが成立していると言えよう。


 あれれ?

 これでも、間違っているとは言えんでしょう。要は、坊主と袈裟の位置づけをどこにするかで、このことわざ、逆もまた成立しうることが立証できたと思われます。

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