第5話 すでにもしかして

マーサが持ってきてくれた昼食が

全て机に並んだのでさっそくいただこうとした時


にゃん、むふー、むふー、


猫が机に飛び乗った

ものすごく鶏肉を見て興奮している

今にも鶏肉に飛びかかりそうだ

魚より肉派なのかもしれない


「猫ちゃん用に切り分けてあげるからおまちなさいね」

マーサがバスケットに入っていた小皿に鶏肉をいれ

よいしょっと猫を抱えて

机から猫をバスケットの前に下ろすと

理解したのか猫がすごい勢いで鶏肉を食べ始めた


うにゃう、にゃうにゃ、うにゃ

なんか鳴きながら食べてる

大興奮だな、魚より鳥かー

少しだけかなしい


私もそろそろご飯食べよう

片手でパンに鶏肉を挟んだものを持ち

スプーンで野菜スープをすくう

マーサが睨んでる

「私しかいないとはいえ行儀悪いわよ」

やはり怒られた

「すごい美味しそうだしお腹空いてたんだよ」

「言い訳しないの、他でやったら恥ずかしいでしょ」

あまりにもじーっと睨まれるので

スプーンを置いてパンから食べることにした


「そういえば、昨日この猫の手を拾ってね。今朝ここに取りに来たんだよ」

「えっ!?どういうこと?」

「猫の手だけ落ちてて拾ったの」

「それ、もしかしてもう何かからまもってもらったんじゃないの?」


なるほど、なんだか分からないけど

何かから守ってくれた時に手を落とした可能性もあるのか

鶏肉を食べ終えた猫が膝の上に乗ってきた

相変わらず紫と黒の縞模様に見える


まだ何か起きるのかもしれない

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