第3話 あたたかいもふもふ

普段は朝ごはんを食べたら仕事のために豆茶を淹れてから仕事机につく

豆茶の準備は少し面倒だ


豆をフライパンで黒くなるまで煎る

鉄鍋にうつして棒で突いて潰す

水を入れて煮る

あとは煮立った豆茶をカップへ入れたら完成だ。


今日は猫がいるので豆茶を淹れるのも一苦労だ

フライパンに豆をころころといれると

音が気になったのか肩によじ登って

フライパンの中をじーっと見ている

肩に乗せたままフライパンをゆすり豆を転がすたびに可愛い手が動いている

豆を潰しだすころには興味がなくなったのか足元の木箱のなかで丸まっていた


豆茶と裁縫道具と途中まで進んだ刺繍をしている布を持って窓に近い机までいく

そんなに広い家ではないが

キッチンからは少しといえど歩く

猫は楽しそうに足元で頭を擦り付けながら歩いている

まだしばらく猫はこの家に居てくれそうだ

さっさと仕事を済ませてしまおう


なぁん


机に飛び乗って猫がこちらをじっと見てくる

あ、しまった

猫の朝ごはん忘れてた

持っている物を一旦机に置いて

急いで干した魚をキッチンまで取りに戻り

手のひらぐらいの大きさの魚を一枚戸棚から取り出した

「ごめんね、これ食べられるかな?」

足元にいる猫に差し出すとくんくんと匂いを確認して手でちょんちょんと突いてくる

食べ物だと理解できたのか

ガブリと食いついてそのままむしゃむしゃ一枚食べて満足げに鳴いた


なぁあぁん

よしよしと頭を撫でる


仕事したくないなぁ猫を撫でてたい

そんな気持ちをわかってるのか猫は仕事机まで付いてきてくれる


今日の膝の上はあたたかいもふもふがいる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る