第2話 そして猫は寝る

翌朝目覚めたのはベランダからの物音で目が覚めた

なにかが扉を引っ掻いているような音がする


かりかり、かりかり


かりかり、かりかり


なぁあん


猫の鳴き声だ二日続けて猫に縁があるとは珍しい

寝巻きのまま急いでベランダに向かった

紫と黒の縞模様の猫だ

左前脚の途中から足がない

「もしかして、足とりにきたの?」

猫は足の間を頭を擦り付けながらグルグルと喉を鳴らして歩いている


箱を取りにそのまま猫とベランダから移動する

箱の中の足はぐっぱーと閉じて開いている

猫に見えるように足元に箱を置くと

足をクンクンと匂いを嗅いで確認を始めた

満足したのかそのまま箱の中で丸くなる

にゃふにゃふと寝言を言いながら寝てしまった


猫が昼寝から起き上がると足はしっかりくっついていた

妖精の親戚みたいな物だから取れたりくっついても不思議でないと言えばそうなのだが

なんとなく腑に落ちない

でもそれが当たり前なのだから考えても仕方ない

さて、そろそろ朝食をすませて

仕事をしなければならない

猫はこのまま居てくれるのだろうか

せめて、朝、いや、昼食まで、うーん、明日ぐらいまでは居てくれたら癒しがあって仕事が捗るんだけどな

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