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 彼女とは講義でたまたま同じグループになってから話すようになった。課題をやる目的で、グループの人達で連絡先を交換した。しばらくは、課題のやり取りだけで済ませていたけど、徐々にいろんな話をするようになった。お互い眠れないよね、なんて何時間も長電話して、次の日学校ですれ違うとお互い大あくび、なんてこともあって。君に会えるのが楽しみで、1人暮らしでだらける俺も、学校に行くのが苦じゃなくなった。


「今日友達いないからさ、講義一緒に受けてもいい?」


 そう連絡が来て、俺は友達いるけどそれでもいいなら、なんて強気のメッセージを送った。


 レジュメに書いてある、君のラクガキもどんどん溜まっていくメッセージの履歴も見返す度に、胸が高まる。


 彼女と話すようになって、彼女を好きになるだろうと思って半年。もう好きといってしまおうかと良くない感情が溢れんばかりに湧いて出てくる。伝えようか、いや、やっぱり辞めておこう。講義中、斜め前で眠そうに座っている彼女が視界に入り、そんな事ばかり考えてしまう。


 そんな夜、俺の家には何人かの友達が泊まりに来ていた。沢山の酒やらつまみやら買って相も変わらず騒いでいた。


「あ、そういえばあいつ、サークルの先輩といい感じらしいよ。」


「え、まじそうなん。付き合うのも時間の問題かもなー。」


「わんちゃん、付き合ってんじゃね?」


 友人の話に内心、驚くと共に胸が締め付けられたように苦しくなる。お前好きなんじゃねーのって茶化されて、強がるのが必死だった。その後の会話も何もかも上の空で、みんなが寝静まっても全然眠れない。こうしているうちにも、彼女は先輩と楽しく過ごしているのかもしれない。俺が知らない、先輩。胸がざわつく。


「ねね、電話しよ」


 深夜2時すぎの彼女のメッセージ。俺はすぐに返信しようとトークを開く。


「いいよ」


 そう返して、彼女から掛かってくる電話。この嫌な予感がどうか、気の所為でありますように。イヤホンを繋いで深呼吸をする。どうか、どうか、いつもと変わらない他愛もない話でありますように。

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