第42話 これからやる事。
俺は、クラン、ディファレント・アースの工房を立ち上げた。
イグルート、エグバート、オグートの3人のドワーフが俺のクランに加わって、開発部門として働いてくれることになった。
これで、武器防具などは買うことなく、作ってもらう事もメンテすることも出来るようになった。
それから、イセ・スイーツの売上は相当なものだ、毎月約金貨500枚くらいは、石鹸とかの売上別で稼いでると思う、経費も毎月100枚くらいだ。従業員の給料は一日金貨1枚は渡しているが、この世界の給料って一日丸々働いても銀貨5枚くらいだそうだから、破格の給金なわけだ。
ジョランさん、シルビアさん、マリルレットもこの給料には驚いていたが、早く奴隷から解放されると大喜びしていた。しかも、一生、俺に付いて行きますって言ってくれたのはちょっと嬉しかった、経営者妙味に尽きると言うものだ。
ミーナさんからは、王都からの裕福層に、王都でも支店を出してくれと言われているらしく、考えてはどうかと言われた。
まあ、日本から持ってくるのは、ホットケーキミックスだけだし、あとはこっちの材料で賄っているから、支店が出来た所で大した作業にはならないけどね、その内考えてみよう。
そう考えると、今、子供を抜いて従業員はミーナ、シルビア、ジョラン、マリルレットの4人とドワーフ3人で、一日金貨7枚、更に支店の為の従業員ともなると、もっと売上も欲しいと思っている。
ま、最悪、足りなくなったら‥地球の砂糖とかを売るって方法もあるけど‥あまりそれはしたくない、調理後の物ならまだしも、この世界では不可能だろうと思う物がそのままだとちょっと‥出所を探られた時が面倒だからね‥
何はともあれ、この世界ではまだまだ、お金が必要になるってことで。
これからの俺達の行動を整理してみた。
一つ目、両方の世界のお金を稼ぐために、再度ダンジョンへ行こうと思う。
銃器、弾、食材仕入れのために地球のお金も必要になるから、ダンジョンの宝石は欲しい。金塊は地球で持って行った方が高くで売れるのだが、こっちで換金して冒険者メンバーの配当に回す。
二つ目に、また奴隷従業員を雇って、王都店にスイーツ屋の支店を出す。
これは、ミーナさんに一任して奴隷商会から雇って来てもらうことにしようと思っている。
三つ目、クラン工房で、バギーを魔石か、魔力で走れるようにしたいと思っているが、思ったのだが、魔力消費では運転手がバテてしまう、更に、魔石ではパワーが出ないとイグは言っていた。出来る事なら魔力を供給しながら今と同じくらい走れないかイグに開発をお願いするつもりだ。そして、それ以上のパワーが可能になれば‥うしししし!
怪しい顔つきをしていた新を、皆が引いて見ていた。
「新‥あんた怖いよ‥顔」
「え?‥はは、そう?ああ、それから、俺さ一つ思いついたんだ」
皆、首を傾げた。
「携帯のような物を作る!」
「携帯ってどうやって作るのよ‥」
瑞希はそう言った。
「これは思ったんだけど、クインと俺は従魔の契約で念話を送ることが出来るんだけど、それを応用すると言うか、イメージするんだ、それをスキルスクロールにね」
「つまり‥超能力のテレパシーって事?」
「そうそう」
そう、俺とクインは多少の距離なら念話で会話することが出来る。
これは、従魔契約のお陰だとなのだが、これと一緒で携帯も契約した者同士通話できるわけで、念話と電波、相手のイメージを組み合わせて、
この世界には魔法ってチートがある、やれない事はないはずだと俺は確信していた。
ようは、スキルと言うのは地球で言えば超能力だ、魔法のない地球にだって、使える人はいる。予知したり、物を動かしたり、物を見透かしたり。
そして、意思伝達をする人‥実際は言葉ではなく、その人の思っている事が流れてくるらしいが‥
魔法筆を取り、魔法紙の宙でルーン文字を電波をイメージして描く。
その文字を俺は、魔法紙に押し込め付与して定着させ、それを開き、まず自分がその
そしてもう一つ同じ物を作って、一度、エルファシルへ空間転移で飛んだ。
シュン。
俺は、エルファシルの宮殿の前に空間転移した。
「な!‥あ、ああ‥アラタ様でしたか」
宮殿の前の兵士がいきなり現れた俺に驚いていたが、俺だとわかると安堵していた。
俺は、母エウロラの部屋へ向かうと、相変わらずヴィクトリアと二人で、スクロール作りをしていた。
「あら?アラタ、もう、勉強しに来たの?」
「ああ、もう大体わかったから大丈夫、それより、これちょっと開いて習得してみて」
「何のスキル?」
「えっと、遠くにいる人に念話を送れるスキルかな?」
「なんですって!?」
エウロラは驚いて、そう叫んだ。
「まさかとは思うけど!話す相手が、もし、遠い場所や何処に居てもって言う物だったら禁忌よ!」
「え‥その通りだけど‥なんで?」
母エウロラは、少々怒り気味で俺に語った。
この世界の念話は、指向性をもった言葉を魔法に乗せての魔法念話は成立しているのだと言う、つまり、障害物があったり、あまり遠いと機能しないと言うのだ。
「戦争や犯罪は、情報が大事なのよ?相手に嘘をつかせたり、逃げ場を無くして捕縛したり、前もって情報を知ることの意味を貴方は理解しているの?こんな物があったら、要人を一人ずつ殺すことだって容易くなるわ、これは門外不出よ、わかった?」
「は‥はい‥あ、でも、クラン内でなら使ってもいいかな?‥」
「はぁ‥渡す相手を見極め、あなたが責任を持つのなら仲間内なら良いんじゃない?でも‥絶対に、外には出しちゃだめよ!」
「わ‥わかりました…」
母エウロラはそう言って、俺が渡したスクロールを開きスキルを取得した。
そして、俺は母に頼まれていた、銃器の使用法のメモ、銃器を2丁ずつと弾を多めに渡して、仲間の元に戻った。
『聞こえますか?母さん』
『ほんとに聞こえるのね‥驚いたわ』
『よし、成功だ!』
『何が、成功だ!よ‥今度から、貴方が生み出す物は、先ず私に確認と取ってから使う事!分かりましたか?』
『は‥はい‥』
「ねえ、新、なんか気まずそうな顔しているけど、どうせ念話でエウロラさんに怒られたんでしょ」
「ははは‥」
瑞希は、こう言うときだけ察しが良い。
そして、俺は、信頼を置いている、冒険者メンバーと、販売部のミーナさん、シルビアさん、開発部のイグルートにだけ、この
そして、早速、工房で俺達の武器防具は、イグ達ドワーフの力で再調整されて、強固になったが俺の付与はリセットされてしまっていたので、もう一度俺は、武器に超微振動魔法を付与したのだった。
「アラタ殿、これでかなり武器は丈夫になったはずじゃが、やはりよくある鉄を強化したに過ぎない代物じゃ‥もっと良い鉱石を使えばもっと良いものが出来るじゃろうて、だが、ダンジョン産の武器の方がマジックが付いておるからそっちの方が良いかもしれんが、選べんからの」
イグは俺達の武器を一つずつ渡しながらそう言った。
「そうなんだよね。上手く自分の使うような武器が手に入れば言う事ないんだけど」
新も、その剣に魔力を通してバイブレーションを確かめながらそう言った。
「そのうち、儂のいた鉱山の町ディアムには鉱山があるのじゃが、そこに大きな魔素だまりの洞窟があるんじゃ、普段はあまり誰も近寄らないが、その中には鉱石の魔物がうろついておる、そこに行って採掘するのはありじゃろうな」
「鉱山の洞窟、そんなのあるの?」
「うむ、じゃが、鉱石の魔物は硬くて武器によっては歯が立たんし、魔法も殆ど効かんから倒すのも容易ではないぞ。その魔物を生成している魔素の核を破壊することが出来れば掘るより簡単に入手できるのじゃがのぅ」
イグルートは髭を撫でながらそう言っていた。
「アラタ、どうするんだ?ボルボンダンジョンへ行くのか、それとも、鉱石取りに行くか?どちらも俺達の装備のパワーアップにはなるが‥」
クラウスがそう言った。
う~ん、ダンジョンにしとくか‥
宝石も欲しいし、鉄の武器じゃそれよりも硬質な魔物だったら歯が立たないわけで、俺の得意とする魔法も効かないとなると、ちょっと危険だからね。
「やる事は一杯あるけど、とりあえずダンジョンに行こう」
俺は、先ずは、ボルボンダンジョンの続きをすることに決めた。
「嬢ちゃんのは、儂が持っていた質の良い魔晶石を取り付けておいたから、少しは魔法の効果を高めてくれるじゃろう」
イグルートはそう言ってレベッカに強化したワンドを渡していた。
「魔晶石?」
「うむ、魔法使い用のワンドや杖はな、魔力を通しやすく増幅させやすい魔晶石と言うものが取り付けられておるのじゃ、それを触媒にして放つ魔法はその性質によって異なるのじゃ、儂が持っていたのは一般的な物じゃがな」
イグルートは、魔晶石について教えてくれた。
魔法使い用の装備には、魔晶石が埋め込まれることが多いようだ。
その石には属性なども存在しているらしく、火の魔晶石なら火が大幅に増幅されると言った。
そして、貴重なため、一般の杖やワンドにはそれを砕いて、素材に練り込まれ多く量産しているのだと言った、今回、イグがレベッカに渡したワンドには、小さな欠片がそのまま嵌め込まれており、魔法を増幅する機能が向上されていると言っていた。
「ありがとうございます!イグルートさん」
「うむ、ほっほっほ」
その後に少し、イグと素材の話をしたが、鉱石に関しては地球にはない物がこの世界には多い、魔法や魔物の素になる魔素は、鉱石などいろんな素材にも影響を与えているようだ。
俺が簡単に聞いただけでも、聞いた事のない鉱石の名前が出て来た。
ゲームとかでよく出て来る架空の鉱石、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロノカネも出てきたが、魔鉱石、魔晶石、魔境石、幻魔石、なんかいろいろ言っていたが、この世界には独自の進化を遂げていることがわかり、名前に魔素の魔が入っているのが印象深かった。
「いろいろ教えてくれて有難うイグ、また何かあったら教えて欲しい」
「ほっほっほ、儂が知っている事ならなんなりと」
その後にウイスキーを、ドワーフトリオに懇願されて4リットルボトルを渡したのだった‥
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後書き。
応援してくれている皆様、誤字などの報告など助かります^^
寝ぼけて書いていたりすると、一度確認してから公開しているにも関わらず、誤字や脱字があったりしてます‥(/ω\)
次は、ダンジョン編になります。
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