第10話 銃器。
3日ほど経ち、俺とレベッカ、マイティの3人は依頼をそこそこ熟してた。
勿論、ゲンムとの訓練も忘れずにやっている。
そして、俺は、一度地球に戻っていた。
まだ親父の墓の事などもあったからである。
親父の墓参りに頻繁に行くことは中々できないと思い、納骨堂を購入した。
坊さんも呼んでお経をあげてもらい、納骨も済ませた。
10年分の管理費と納骨堂で約150万だった。
帰りに、ボンキー・ドーテと言う何でも売っている総合ディスカウントストアに寄った。
そこで、いろんな物を購入したんだが、主にアウトドア用品。
そして、ある場所を見て回った。
ゲームやフィギア、プラモ、モデルガンなどがある売り場だ。
モデルガンか‥こういうの撃ってみたいのは男だったら一度はあるよね‥
どこだっけ?海外で本物撃てるとこあったな。
ピロン。
音がなったので携帯を見ると、ショートメールで電話番号が送られてきていた。
あ、フェルナンドさん。
待てよ、フェルナンドさんなら銃器とかも持って来てもらえるのだろうか?
とりあえず、電話してみた。
『おー!アラタ、早速電話してくれるなんて、もう、ブツを手に入れたのか?ハッハッハ』
「あ‥いえ、ちょっと聞きたい事が」
『なんだ‥違うのか‥ん?聞きたい事?』
「本物の銃器って買えたりするんですか?」
『なんだそんなことか?お安い御用だ、明日でも取引するか?』
どうしよう‥これって犯罪だよね‥
でも、異世界へ持って行けば別に問題ないよね‥それにマジックボックスに入れちゃえば。
「ああ、はい‥明日、またあの古いデパートの駐車場ですね、わかりました」
プツッ。
フェルナンドさんは、古いデパートの早朝の駐車場を指定した、監視カメラもなく、管理人に話を通しておくから、早朝でも開いていると言っていた。
◇
次の日、早朝、約束の駐車場。
俺は先に駐車場に車を停めて待っていた。
俺の隣にバンが止まった。
帽子にサングラス、外人さんってなんでこう似合うんだろうね、渋い。
「おう!アラタ!後ろ開けるから乗ってくれ」
言われる通りバンの後ろに乗った。
大きな袋のファスナーを開けると、そこには本物の銃が用意されていた。
「うわ‥本物だ」
「これは中古だが、ちゃんと俺が整備してあるから新品同様だ、ハッハッハ」
手に取って見るとずしりと重い。
「どれがお好みで?」
このアサルトライフルなら使いやすいぞ?
このスナイパーライフルは遠くの物でも貫通するぞ!
このハンドガンは人気だ。
やはり、近距離ならこのショットガン!強烈だぜ!
と、フェルナンドさんはいろいろと説明を入れていた。
「一応、全部、撃ってみたい気はするのですが‥」
「ワオ!いいねぇ、ってアラタ、戦争でもするのか?ハッハッハ」
「いえ‥まさかぁ‥ちょっと隠れて撃てる所があるので撃ってみたいだけです」
「ふ~ん‥」
そりゃ、疑ってるよね‥ここは、日本だもんね‥
「いや、深い事は聞かないぜ!そしてこれは、全部で100万円で良いぞ。ついでにこれも付けてやる!ジャーン。」
もう一つの箱を開けて見せたのは、ロケットランチャーだった。
「うわ‥それ本物ですか?」
「当たり前だ、偽物持って来てどうするんだ?」
新は、引きつった顔をしていた。
「じゅ‥銃って幾らくらいするんですか?」
「ピンキリだが、アメリカだったらそんなにしないぞ?新品でも8万~30万の間で弾なんてもっと手軽に安い、物によるけどな」
「思ってたより安いんですね‥銃って」
「そんなもんだ、今は3Dプリンターでも作れなくはない時代だからな」
ちょっと、待っててくださいと言って、バンの後ろから降りて自分の車に戻り、マジックボックスから100万円の束をだした。
バンに戻って、フェルナンドさんに現金を渡した。
フェルナンドは袋に詰めた銃器と、ロケランが入っている箱を俺のトランクに詰めて、大量の弾の入った箱も、トランクへ入れた。
「取引終了!じゃあまたな!」
「はい‥」
本当に深い事は聞かなかったが、それが闇商人なのだろう。
仕入れたのは、アサルトライフル2丁、ハンドガン2丁、50口径スナイパーライフル1丁、ショットガン2丁、ロケットランチャー1台だった。
俺は、フェルナンドさんが去った後トランクを開けて、誰もいないのを確認してマジックボックスへ全てを投げ入れて、車に乗り込み走り出した。
家に着いた俺は、すぐに異世界へ向かった。
◇
レベッカとマイティは、俺がいない2日間の間に、Dランク試験を受けたらしい。
そして、勿論、余裕で受かったらしいので、俺と同じ冒険者Dランクになったわけだ。
二人に、俺のお陰だと凄く感謝された。
そして、また、レベッカ達と依頼を受け、ホルン近くの森へ入っていた。
マジックボックスから、銃器の袋を取り出した。
「アラタさん、それなんですか?」
「うん、俺の国の武器と言うか、銃って言う武器だよ」
「へ~‥?」
誰もいない事を確認して、フェルナンドのメモ書き通りに、セーフティを解除しアサルトライフルを撃ってみた。
タタタタタン。
200m先の岩を狙って撃つと弾痕が残っていた。
「うわあ、楽しい‥えっとアサルトライフルは大体、射程が200m~400mくらいか」
「凄いですね‥無詠唱の魔法より速いですね、その武器」
マイティが驚いてそう言った。
マイティとレベッカにも撃たせてあげた。
次に、50口径のスナイパーライフルを地面に寝転び試してみることにした。
少し丘に上がって、草原の先にある岩を的にすることにした。
フェルナンドさんのメモによると、最大4キロmの射程があるとは書いてあるが、有効射程は1キロm~2キロm、スナイパーライフルは、長距離を目的としているが中距離でもその威力は計り知れないと書いてあった。
1キロほど先の岩を俺は、スコープを覗き、息を止めて撃った。
ズトン!
岩の近くの土が捲れたのがわかった。
「むずい‥もう一発‥」
ズドン!
1キロほど先の岩の先端あたりが吹き飛ぶのが見えた。
「凄ーい‥あんな遠い所の岩が弾けましたね」
マイティが、遠くを見てそう言った。
え?今の見えたの‥さすがこの世界の人間だ‥視力は良いのだろう。
「うん、でも、これは練習が必要かも‥」
銃器の訓練は終わりにしてマジックボックスに銃器を仕舞った。
今日の依頼は、街道沿いに出現するワーベアーの討伐だった。
ワーベアーとは、地球で言う凶暴なクマだ。
クインが索敵で見つけて、攻撃するのが今の俺達パーティの戦い方だ。
俺は、簡単な魔法、ファイヤーアローや、雷魔法ライトニングなど織り交ぜて隙を作り、マイティが斬りかかる。
レベッカは、待機していて、クインは危ない時に助ける要員。
こんな感じで、ワーベアーも労することなく倒すことが出来た。
ちゃんと、倒した後ワーベアーの毛皮も剥いで、マジックボックスへ仕舞って持って行く。
合計3匹のワーベアーを討伐して、戻ることにした俺達は、少しずつ強くなっていくのを実感したのだった。
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