悪夢天然真面目少女とダウナー系ヤンキー 第5話
毎日悪夢を見ている女の子が寝過ごすのを、幼なじみの男の子が起こしに来るだけの物語。
悪夢の中で、女の子は地下深く階段を降りていくが、男の子は3階より深く潜ると生命の危機があることを知っている。
起こすのに間に合うか、毎日ぎりぎりの攻防を繰り広げていく。
単なる幼なじみの間柄であり、以前まではそんなに仲が良いわけではなかったため、毎朝来る彼の行動に女の子含め周囲は驚いている。
彼は規律を守るのが嫌いなダウナー系ヤンキーであり、そのくせ成績は良くクラスでも人気はある、1番の問題児。
なぜそんなに彼女に献身するのか。
けして、悪夢の原因は彼ではない。
物語開始時、彼にも原因を知りようがない。
ただ、彼の親友が同じ夢を見た後、亡くなっただけだった。
あいつは悪夢から醒めてから、最期にけたたましく笑いながら電話をよこしてきた。
隣に住む彼女の笑い声は、普段からよく聞こえてくる。
俺はもう、あれを聞きたくない。
それだけだ、と自分に言い聞かせながらも、彼は毎朝隣の彼女の家に走る。
時にはベランダから飛び込んでくるから、彼女は窓の鍵をいつも開けておくことにした。
彼女からしてみると、突然小さい頃遊んでいた近所の同級生が、よく遊びにくるのを嬉しく思っていた。
彼女は少し天然だった。
天然で明るい彼女だったが、連日続く悪夢にはまいってきていた。
彼女に呪われるような心当たりはない。
彼女は性格良さと真面目さで、皆から好かれていた。
でも、今日も死に至る悪夢を見ている。
ダウナー系ヤンキーはその事実がだんだんと腹が立ってきた。
そもそも、毎日起こすのもきつくなってきた。
俺そもそも規律守るの嫌いなのに、何故こんな毎朝頑張らなきゃならないんだ。
なんて縛りだよ、途中で起きなきゃダメって。
てか親友のアイツも悪夢のせいでなくすはめになってんじゃん。
なんで俺が、悪夢に我慢しなきゃならないんだ。
そういや、俺、なんで反撃できないなんて考えたんだろう。
ついに、ダウナー系ヤンキーの男の子は、天然真面目女の子に、自身の友人の末路と、女の子の最期の笑い声を聞きたくないのは何故かを白状する。
痩せ細った女の子は、それでも、彼の気持ちに驚いて笑って応えた。
そして、彼らは悪夢の正体を突き止め、反撃することを誓い合った。
コイツまで奪わせない、と彼は誓った。
彼女はこの人は悲しませない、と決めた。
そして2人は初デートとして、精神病院の門戸を叩くことにした。
神社?お祓い?ホラー好きではなく普通の若者の彼らが、オカルトにたどりつくはもう少しかかるようだ。
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