明るく優しく清くちょっとおバカで愛嬌があるけれど良心が欠如している 第4話

 明るく優しく清くちょっとおバカで愛嬌があるけれど良心が欠如しているスーパーサイコパスな男が、殺人事件の起きる吹雪のホテルに閉じ込められて、被害者にも加害者にもなりたくない一心で探偵役を引き受ける話。

 真犯人が1番良心的。

 真犯人以外、被害者オーナー傍観者みーんなサイコパス。


 被害者が過去むごいことをたくさんの人にしてきたため、自業自得であるようなことは序盤に推測できるものの、主人公は一切の躊躇なく追い詰めていく。

 犯罪はいけないことだし、自分と女友達に危害が及ぶ可能性があるからね、仕方ないね。


 ホテルオーナーは犯罪事件があると売上が減るという一点のみで、犯人を始末するという隠蔽に走るし、傍観者複数人も、保身のために手を組んだり、怪しい人物を排除しようしたり、波風立てたくないためがだけに、探偵役に襲いかかってくる。

 全員に悪意があって正義感のない殺意高めなミステリー小説


 パス特有の身内びいきとあっさりした裏切りもあいまって、誰が誰の味方をしているかは1ページ毎に入れ替わる。


 主人公の女友達は、以前お話しした”全員悪い恋愛小説”の登場人物。自分のために催眠を甘んじて受ける女性と同一人物。

 目的のために手段を選ばない方針は、彼女の性格の大きな核。


 主人公は”友人が人生で1番大事”という美点を持っている。

 その他への愛情が友人たちへのそれと段違いであるため、探偵役としては”たぶん友人ではない”犯人に対して苛烈にすぎる。

 頭が特別キレるわけではないが、手段を選ばない捜査で、犯人は精神的に追い詰められていく。

 探偵に向いていない。


 主人公が探偵をやるのは、謎を解きたいわけでも、犯人を諭したいわけでも、正義感でもなくて、ふりかかる火の粉を払いたいだけだから、犯人を追い詰めすぎても仕方ないね。


 仕方ないわけあるか。

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