とある島(ランド)の漂流日記

nitonei

第1話

1日目


船が難破した。どこかの島に流れ着いたようで、特に目立った傷は見当たらない。ここはどこなんだろうか?

漂着した際、何故か可愛らしいリボンを握りしめていた。

何故だろう。とても大切なことを忘れているような気が・・・。


2日目


散策してみると、変わった石像が並んでいる場所を発見。古代の文明だろうか。面白い作りをしている。

こんな状況にもかかわらず未知の発見に

冒険家の気持ちが芽生えた。


3日目


喉が渇く。水を求めて辺りをいろいろ探してみるが、見つからない。

ヤシの実でもあればと探すが、実のなっている植物すら見つからない。

私も傍に転がる骸骨のように、ここで朽ちてしまうのだろうか。


4日目


眩暈がしてきた。脱水症状と疲れのせいか、気づかないうちに渋谷にあるモアイ像のような石像の周りをぐるぐると回っていたようだ。

とうとう限界が近いのかもしれない。


5日目


恵みの雨だ。浴びるほど雨水飲み、渇きはなくなった。

さらに幸運なことに、無くした眼鏡の代わりを見つけた。片方だけしかみつからなかったが、これで少しは探索が捗るだろう。


6日目


人間満たされると次の欲求が生まれる様だ。何か食べるものが欲しい。漂流した物の中に絵描きの道具があった。


この筆は動物性だろうか・・・。


7日目


腹を下した。

前日食べたものがいけなかったようだ。幸いにもポケットに紙が入っていた。

文明の心を忘れてはいないのだ。

赤い文字で何か書いてあったが読めないので問題ないだろう。


8日目


遺跡のような場所を見つけた。

中央の台座には英語のような字で「MCH」?

何のことだろう?

なんとなく落ちていた鏡を台座にはめてみると、地下への扉が出現した。


さて、この奥には何があるのだろうか?


9日目


最深部に辿り着くと周りに球体を浮かべた青い髪の女性が鎮座していた。


「ヨウコソ。ヨク、ここまデたどり着きましたネ」


そう言うと彼女は、両手をこちらに向け強烈な光を放出し・・・。


「****マタ、あおうネ・・・・」


その言葉を聞きながら、私の意識は光に包まれていった。


????日目


目が覚めると私は食事の最中だった。

悪い夢でも見ていたようだ。

新婚旅行で世界一周の旅の最中だというのに、最悪だ。

昨日遅くまで遊んでいたゲームのせいだろう。ゲームの名はたしか・・・


「マイ、ク・・・」


ふと横を見ると隣に座る彼女がぷうっと頬を膨らませていた。

そんな彼女に平謝りしていると、大きな衝撃音と共に

乗っていたクルーズ船が大きく揺れた。

人々が叫び、逃げ惑っている。

私は彼女の手を握り、脱出艇に乗り込もうと走り出す。なんとか甲板に出た瞬間、再び船が大きく揺れ、私達は不運にも船から放り出されてしまう。私は必死で彼女を抱きしめ叫んだ。


「レム!!!!!!」


ドボンッ!!!


海に落ちた衝撃で苦しそうな彼女の姿を最後に私の意識は暗い海の底に沈んで行ってしまった。



Fin?

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