4月21日

 とても仕方のないことをしました。感覚が違っていたのです。きっと寝ぼけているのと同じくらい頭が働いていなかったのでしょう。いいえ、今も同じくらい頭は働いていません。

 とても悲しいのでちゃんと終わらせようと思いました。とても悲しいのでちゃんと終わらせたいと思いました。けれどもしかしたら一日経てば忘れてしまうようなことなのかもしれません。私は私の記憶力を信用していません。

 時間がわからなかっただけなのです。時間というものは同じように流れます。同じように流れると定義します。同じように流れていないといけないのです。同じように流れていないと困る人たちがいます。そういった合意の時間のことを覚えていられないだけなのです。

 ああ、どうしてあなたはそこにいるのでしょう。どうして私にそう見えるのでしょう。

 以前にもギリギリのことはありました。けれどそれでも過ぎなかったのです。間に合ったのです。気付いたのです。どうせ同じところで時間など見れるのです。

 ただ全てが同じで全てが違う話というだけなのです。


 何度でも忘れて思いだすものが同じものかどうかはわからない。

 いくつもいくつも忘れて、それがどこへ行ったのか。


 経験は次の瞬間に覆されることもある。それでも経験による安心というものはある。


 バールのようなものはバールであるかどうか。

 それをバールと呼べばバールとなるだろう。


 人に話しかけられればこたえられる程度の社交性はあるんですよ。ただお分かりのように、自分から話しかけるという形の社交性はないというだけなのです。

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