第9話彼女の部屋ってもしかして……?

 重たい金属で囲まれた窓一つない部屋に、鉄筋がむき出しの質素すぎるベット。


 壁にはそんな明らかに、普通ではありえない女性の部屋には不釣り合いなぐらいの……。


 ふわふわとした毛並みの、愛らしいウサギのダンサーが可愛く描かれたポスターが貼り付けられていて。


 ──そんな、牢獄を可愛く頑張ってアレンジしました的な部屋に。


 自分が心の底から愛している黒髪ツインテールのフィロに、鼻歌まじりに案内されて。


 思わず私は「えっ!? ここがフィロの部屋? なの!?」と、普段張り上げる事のない声を思いっきり張り上げて言えば。


フィロは『そんなに驚く事?』と言いたげな顔をしながら首をかしげて。


「そうだけど、そんなに驚く部屋かな? ちょっと不気味で不便だけど……。慣れたらすごくいい部屋だよ」


「……いや、不便って言葉で済まないぐらいやばいと思うけど。というかその……電気すら通ってないのに。なんで明かりがちゃんと点いているのかな?」


「嗚呼それはね、私がこのライトにふーって息を吹きかけたからだよ! アジュ、最近の電化製品はね。息を吹きかけるだけで、コンセントを刺さなくても明かりがついたり、動いたりするのよ」


 フィロはそう無邪気に笑って答えてから、椅子に座るようにベットの上にちょこんとお行儀良く座るので。


私はそれに続いて、彼女と同じぐらいお行儀よく座り返しながら……。


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サボり魔娘の一日 崎将とおる @zakisyoutoru

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