2曲目 仲間はチーム

「今回も派手にやってくれたなー、あいつ」

「いつもスケールのでかいイタズラみたいなことやってるんですか?てか、誰なんです?名前は?」

「それがわからないんだ。名前は偽名で、しかも毎回違う。組織犯とも考えたが、どう調べても1人なんだよなあ。しかもただ派手なだけで目的もわからない」

近松は笑いながら話す。

笑ってしまうほど迷宮入りしているのか、そもそも迷宮に入れないのか。

とりあえず事務所に戻る。

「近松先輩お疲れ様でーす!」

プリン、もとい金髪が元気にしゃべる。

「またピアノ君の事件らしいじゃないですか!何か進展しました?」

「しねーよ、調べるだけ無駄」

「で、誰ですか?こいつ」

「花巻、紹介しよう、新入りの尾道だ」

「尾道 しるべです」

「君がウワサの!花巻はなまきだよ!よろしくー!ねえ、おのっちって呼んでいーかい?」

「えっあっ、はい、、どうぞ」

「なーんか騒がしいわね、、ん?誰よあんた」

入った縦ロールで目つきの鋭いスタイルのいい女が入って来た。多分同い年だろう。

「新入りだ」

「あっそう、遅かったじゃない。近松、じゃあなんで一緒に来たのさ」

「現場で会ったの」

「ふーん」

縦ロールを弄りながらしゃべる。絶対信じていない。

「まあいいわ、私はうしとら。全員集まったし、能力を教えて頂戴」

4人しかいないのか。と驚く間もなく自己紹介が始まった。

「じゃあ私から。近松 玲司れいじだ。この超特殊テロ対策第二鈴丘支部の支部長をやってる。能力は【舌鼓】。他の人の味覚を感知できる」

花巻 正輝まさき!能力は【超動体視力】少しの間だけ物凄い動体視力になるよ!」

 真莉まり。能力は【林檎の歌】林檎を食べてから一定時間指定する人に声を届けられるわ。一方通行のテレパシーみたいなものね」

自分に注目が集まる。

「えと、、、尾道導です。能力は【道標】、道路標識を出現させることができます」

「「道路標識、、、」」

花巻と艮が意外そうな目でこちらを見る。

「どうなん、その能力って。使えるの?」

花巻のボリュームが下がる。

「戦闘時は地形によりますが、使えなくはないです」

「ハッキリしないわね。エリートって聞いていたんだけど間違いなのかしら」

艮が偉そうにこっちを見る。

ビーッ、ビーッ、ビーッ

突然ブザーが鳴った。

「導君、ブザーにはいくつか種類があるが、とりあえずこのブザーについて。これは近くで事件が発生した時に鳴る。戦闘用意が必要なんだが俺は戦闘に向かない。花巻、導君と一緒に行ってくれないか」

「了解!おのっち、頑張ろう!」

初任務が始まる。

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無慈悲な演奏者と道路標識 @rinrin-000

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