エピローグ
事件から数週間が経ったある日、アルドとエイミは久々にフタバと会う約束をして、彼女の働く工房へ向かっていた。
「フタバちゃんと会うの久しぶりねぇアルド! 元気にしてるかしら?」
「うーん、色々あったからなぁ。でもフタバならきっと元気にやってるさ!」
「今ネガティブな事言おうとしたら一発かますとこだったわ。」
「えっ、怖いぞエイミ!」
二人はたわいも無い話をしていると既に工房の前まで来ている事に気付く。
「あっ、もう着いたのね! 早速入りましょ!」
工房の中へ入ると中でフタバはヨツバが使っていたバイクをいじっていた。
「フタバちゃん! お待たせ!」
「あっ! いらっしゃいエイミ!アルドさん!」
「久しぶりだなぁフタバ! 元気そうで良かったよ! 修理してたのか?」
「いえ、これはただのメンテナンスよ。姉さんが帰ってきた時動かなかったら怒られちゃうからね! 」
エイミはヨツバのバイクをまじまじと見ている。
「このバイク、よく見るとデザインがラヴィアンとそっくりじゃない? 」
「ふふっ、エイミもそう思う? 姉さん気に入ったデザインがあるとそればっかり!
あっそれとね、明日やっと姉さんに会いに行ける事になったの! それで差し入れを買いに行こうと思ってるのだけど、一緒にお買い物付き合ってくれないエイミ?」
「そう、良かったじゃない! 勿論いいわ、一緒に行きましょ!」
「ありがと! それじゃ…アルドさんお留守番お願いしますね!」
「えっ?! 俺一人でか?」
「そうゆう事だから宜しくねアルド! じゃ行きましょフタバちゃん!」
そう言うと二人は買い物へ向かって行ってしまう。
「…まさか俺って今日この為に呼ばれたわけじゃ無いよな…?」
そして暫くすると二人が帰って来て、フタバの手には綺麗に包装された箱があった。
「早かったな! いったい何を買ったんだ?」
「これはラヴィアンローズのショコラエトワールよ! 姉さんの大好物なの。」
「アルドの分もちゃんと買ってきたから安心しなさい!」
「本当か?! そりゃ楽しみだな!」
その後三人は一緒にショコラエトワールを食べると暫く雑談を楽しんだ。
「そういえばラヴィアンのやつ今頃どうしてるんだろうなぁ?」
「彼なら元気にしてるわよ! 実はね、たまに彼のボディのメンテナンスをしに行ってるの。」
「えぇ?! そうだったのか! じゃあフタバがついてるならラヴィアンも安心だな!」
「ふふっ、姉さんが帰って来るまで元気でいてもらわないとだからね! そして姉さんが帰ってきた時驚かせてあげるんだから!」
「そうね! きっとヨツバさんも喜ぶわ! 私ね、思ったんだけど…ヨツバさんはラヴィアンを見つけた時、KMS社から捨てられた彼を見てどこかフタバちゃんと重なっちゃったんじゃないかなって思ったの、だからあの日フタバちゃんが最後にラヴィアンに言ったこと、あながち間違いじゃないと思うわ!」
「…そうかな? いえ、そうだといいわ。」
ふとアルドは時計を見るとだいぶ時間が経っている事に気付く。
「エイミ、俺たちはそろそろ行こうか! フタバもまだ仕事が残ってるだろうしな。」
「あっ、そうだったわね! 今日は会えて良かったわフタバちゃん!」
「えぇ、私もよ! 二人とも、姉さんが帰って来る時はまた遊びに来てね!」
「ああ!もちろんだ! それじゃ、元気でなっフタバ!」
アルドとエイミは笑顔で手を振り、また自分達の冒険へと戻って行った。
廃墟に咲いた白い薔薇 はくゆう @hakuyun
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