第2話 対極的な姉妹
アルド達はエアポートでの戦闘の後、ガンマ区画へと戻ってきた。
「戻っては来たけど、エイミは大丈夫か? 一旦どこかで休んだ方がいいんじゃないか?」
「全然平気よ! むしろ動いたからお腹すいてきちゃったわね!」
「ははっ、さすがエイミだなぁ! それじゃあ食べに行くか!」
酒場へと移動したアルド達は席に着くとエイミは何かを思い出したようだった。
「あっ、折角だしステーキいっちゃおうかな! アルドも勿論食べるわよね?」
「えっ、またステーキか!? 確かにまた食べる約束はしたけど昨日の今日だぞ?」
アルドはエイミの提案に驚いていたが4日連続でステーキを食べたことのあるエイミにとっては朝飯前であった。
結局アルドもステーキを頼み、テーブルには美味しそうなステーキが2つ並んだ。
「やっぱり、来たら来たで食欲そそるなぁ! 」
「ふふっ、そうでしょ? あとここのステーキは専用のソースがあるからこれで食べてよね!」
「あ、あぁ勿論分かってるよ!」
アルドはやや残念そうな顔をしてそう返した。
食事が終わると自然と先ほどの事件の話になっていく。
「にしても合成人間はいったいどこでプリズマを見つけたんだろうなぁ?」
「ホントよねぇ。それに自在に操れてる感じだったし、たまたま手に入れて使ってみたって訳じゃないわよね?」
「ソレニまだ他ニモあの武器を持っている合成人間がいるカモしれマセン!」
三人が各々の思う所を話していると一人の女性が声を掛けてきた。
「もしかしてあなた達もここのステーキのファンなのー?」
ニコニコしながら彼女は問いかけた。
背は低くポニーテールに丸眼鏡を掛けている彼女は一見少女のようにも見えるがピンク色の作業服を着ている事から学生では無さそうだ。
「えっ?えっと、実は食べたのは今日が初めてなんだ。でもすごく美味しかったよ!」
アルドは唐突な問いかけにも丁寧に答える。
「あははっ、良かった良かった!ファンが一人増えたって事よねー!」
彼女は無邪気に笑いながら喜んでいる。
「あ、あぁそうだな!……それだけ…か?」
「えっとー、実はさっきあなた達から合成人間って言葉が聞こえちゃってね、もしかして最近の事件の話してたのかなぁーって!」
どうやら彼女は合成人間の話に興味があるようだった。
「そうだったのか、確かに俺たちはその事件の話をしてたけど、何か気になることでもあるのか?」
アルドはそう言うと彼女は先程とは裏腹に目を吊り上げ怒り出した。
「気になるなんてもんじゃないわよー! あいつらったら変な武器持ってウロウロしてるから危なくて仕事に行けないのよー!」
「ど、どうしたんだ急に!?」
戸惑うアルドを見て彼女は我に返り、申し訳なさそうな表情で再び話し始めた。
「あっ、ゴメンなさい! 心の声が出ちゃったみたいね! まぁ…ただ愚痴を言いたいだけの女でした…」
「そ、そうだったのか…ははは…。でも仕事に行けないなんて、君の親も大変だなぁ。」
アルドのその言葉に彼女は素早く反応した。
「親じゃなくて私の仕事よ! こう見えても多分あなた達よりは年上なんだからねっ!」
これにはエイミとリィカも驚いていた。
「えっ、あなた私達より年上なの!? てっきり子供に絡まれたのかと思ったわ!」
「ハイ、容姿による推定年齢ハ…十歳デス!」
「そんな子供じゃないっつーの!!」
どうやら話を聞くと彼女の名前はヨツバといい、近くでジャンクショップを経営しているそうだ。
時々ジャンクパーツを調達しに工業都市廃墟の方まで行っていたらしいが、そこへ行くまでのルート99にて近頃危ない合成人間がウロついているらしくパーツを取りに行けないとの事であった。
「なるほどな。…よし、合成人間のことは俺たちに任せてくれないか?」
「えっ!? 任せてって、どうにか出来ちゃうわけ??」
アルドの言葉にヨツバは目をまん丸にして聞き返した。
「あぁ、約束する! ルート99だったよな? 早速明日にでも行ってみるからさ!」
それを聞いてヨツバは子供のように喜んだ。
「アルド君すってきー! じゃあお近付きの印にID交換しましょ?」
「え?あいでぃー?」
アルドの様子を見てエイミが代わりに説明する。
「あーあのね、アルドはケータイ持ってないのよ。」
「え、ウソでしょ? 」
真顔で驚くヨツバであったが代わりにエイミとIDを交換した。
「それじゃ、あたしは仕事に戻るわ! アルド君達も無理はしないでね! でも期待はしちゃってたりしてっ!」
ヨツバは無邪気な笑顔でそう言うと店から出て行った。
翌日、アルド達はルート99へ向かいヘレナとも合流する。
ルート99は今は一般的には使われなくなった廃道であり、工業都市廃墟へ続く唯一の道である。
周りに警戒しつつ四人は歩いていると思わぬ人物と再開する。
「あっ、あんたは!エッジ!…だったか?」
「ん? 誰かと思えば昨日のニイちゃん達と…合成人間!?」
ヘレナを見て驚くエッジ。
「あっ、彼女はヘレナっていって、確かに合成人間だけど俺たちの仲間なんだ!」
「そうゆう事よ、ご理解頂けたかしら?」
「あぁ、どうゆう事情か知らねぇが深く追求はしねぇよ。こっちも仕事で忙しいんでな。」
どうやらエッジはまた合成人間の事件で動いているらしい。
「今回は司政官殿の命令で、合成人間を捉えて情報を聞き出さなきゃいけねーんだ。」
「一人でか!? あいつら相手に流石に危険だぞ?」
「あぁ、分かってら! まったく、期待されすぎるのも困ったもんだぜ。」
「実は俺達も知り合いの頼みで、合成人間を探しに来たんだ。良かったら一緒に行かないか?」
アルドの突拍子も無い提案にエッジはキョトンとしている。
「はぁ?! 知り合いの頼みって、とんだお人好しニイちゃんだなオメェは!」
そう言いつつもエッジは承諾し五人で散策する事となる。
道中ではお互い改めて自己紹介をしつつ先へ進み始めた。
「こうなっちまったからアルド達には教えとくけどよ、今回奴らの使う武器にはどうやらプリズマが埋め込まれてるらしいんだ。」
「あ、あぁそうなのか。気を引き締めないとなっ!」
ぎこちなくアルドは答えた。
「ん? あんま驚かねぇんだな?」
「えっ? いやっ…道理であんな威力が出せるんだなぁって思って!」
アルドがあたふたしているとヘレナが何かを見つけ、二人の会話を遮る。
「静かにっ! あれを見なさい!」
ヘレナが指差した方を見ると一体の合成人間が歩いているのが見えた。
手に持つ武器は淡い光を放っている。
「間違いねぇ、あの武器だ! 今回は生け捕りだからな…足を狙って…」
エッジは敵に気付かれてない今がチャンスと言わんばかりに手に持つ槍を構え、合成人間へ向かって投げ飛ばした。
「ちょっ、エッジいきなりっ…」
ガシャーン!!
槍は合成人間の右足を吹き飛ばし、そのまま地面に倒れこむ。
「よっしゃ! どうよ俺の投槍術は!!はっっはっは!」
「す、凄いけどいきなりすぎるだろ!」
アルドの言葉を聞かずにエッジは合成人間の方へ走って行く。
「さっさと回収して今日の仕事は終いだなぁ!」
すると倒れていた合成人間が上半身を起こし武器を持つ手を振り上げると雄叫びをあげた。
「ゥゴォォォオオー!!」
手に持つ武器は以前よりも圧倒的に強い光を放っている。
「以前の倍以上のエネルギー反応デス! 攻撃がキマス!!」
リィカがそう言うとアルドも精一杯の声で叫ぶ。
「攻撃が来るぞ!逃げるんだエッジー!!」
「くっ、近づき過ぎた! こりゃ…やべぇ…」
エッジが半ば諦めたかのような表情を見せた次の瞬間、強い光を放つその武器は物凄い音と共に弾け飛んだ。
その衝撃による強風が過ぎ去り、あたりは静まり返った。
「…ど、どうなったんだ!?」
「ドウヤラ増幅したエネルギーに耐えきれず武器が暴発したと思われマス!」
アルド達は腰を抜かしたエッジの元へ駆け寄って行く。
すると、暴発の衝撃で半壊した合成人間が僅かに身体を起こし話し始めた。
「オマエタチ…カナラズ…ラヴィアンサマガ…タオス…」
そう言い残し、合成人間は完全に停止した。
「た、助かったみてぇだな…ハハハ。」
「無鉄砲に飛び出すからこうなるんだぞ!」
エッジは返す言葉もなくこの時は素直に謝った。
そして合成人間の元へ行き、落ちているプリズマを手に取る。
「今回は俺のミスでこんな事になっちまったが、こいつだけは持ち帰らせてもらうぜ。司政官へ報告ついでに頭冷やしてくるからアルド達も気を付けて帰れよ。」
そう言うと、やや落ち込んだ表情のエッジはCOA本部へ帰っていった。
「ああなると可哀想になってくるわね。腕はいいのに、ちょっとお調子者って感じね!」
「だな。そういえば合成人間が、ラヴィアン様がどうとかって言ってたんだけど、誰か分かるか?」
「ピピピピピピ…いえ、その名前に関するデータは見つかりませんデシタ!」
「私が合成人間を指揮していた頃もそんな名前は聞いた事ないわね。」
「ヘレナも知らないとなると、新しく出てきた合成人間のリーダーって事か?」
「そうかもしれないわね。」
そう言うとヘレナは壊れた武器を拾い上げる。
「それにこの武器…見た目は似てるけど、かつて使ってたものとは構造から全くの別物よ。」
「そうなの? あたしから見ると同じように…あっ!」
エイミは何かを思いついたように声を上げる。
「その壊れた武器、セバスちゃんの所に持っていかない? 彼女なら何か分かるかもしれないわ!」
セバスちゃんとはエイミの友人でありKMS社会長の孫娘でもある、機械に詳しく発明に関しては天才的な才能の持ち主である。
「じゃ私は一度鬼龍に戻るから、これはあなたに任せるわよ。」
ヘレナから武器を受け取りアルド達はセバスちゃんの家へ向かう。
セバスちゃん宅へ着くなりエイミは早速武器を取り出し、事の経緯を説明した。
「ふーん。いいわ! 個人的にも興味あるし、調べてみるからちょっと待ってて!」
セバスちゃんはしばらくの間自室でその武器を調べ、エイミ達の元へ戻ってきた。
「セバスちゃん! 何か分かった?」
「ええ、見た目はシンプルだけどすごい技術の塊だったわ! おそらくこの武器を持つ合成人間の思考を読み取って、それに応じた分のエネルギーをプリズマから引き出す仕組みね! そして人間が使おうとしても無理ね、完全に合成人間の為に作られたモノって感じ!」
セバスちゃんの高度な分析力によって武器の仕組みが明らかになると同時に思いもしない事実も判明する。
「それとなんだけど、多分これ作ったの人間よ!」
「えっ?!」
一同は驚愕する、それもそのはず敵である合成人間の武器を人間側が作っているとは思いもしなかった。
「これだけ細かくて高度な技術、超優秀な科学者くらいじゃなきゃ出来ないわよ! まぁ私に分かるのはこれくらいね。」
「いえ、十分よ! ありがとうねセバスちゃん!」
お礼を言うとエイミ達はセバスちゃん宅を後にする。
「思いのほか色々分かったけど…なんだかややこしくなってきたわね。」
「ああ、人が作ったって言われてもなぁ。今日はもう疲れただろ? 一旦帰って休もうか。」
この日はルート99を歩き回った疲れが溜まっておりぐっすりと眠りについた。
翌朝、エイミがアルドの元へ駆け寄ってくる。
「ねぇアルド、さっきヨツバさんに合成人間を倒した事話したら、お礼がしたいから工房まで来てって言われたんだけど、折角だから行ってみない?」
「えっ! お礼なんていいのになぁ。でも息抜きがてら行ってみるか!」
アルドとエイミはケータイに送られてきた住所を頼りにヨツバの工房へと向かった。
「ここがヨツバの仕事場かぁ!」
店の看板には《ジャンクショップ・ローズ》と書いてある。
中へ入ると様々な機械が無造作に置かれている。
そして奥の方でヨツバは作業をしていた。
アルドとエイミに気付くと手を止め、笑顔で駆け寄ってくる。
「おっ! 早かったじゃない二人とも!」
「仕事中だったのか? なんかすごい物いじってたな?」
「仕事ってゆうか自分のバイクいじってただけだから気にしないで!」
「バイク?」
アルドは目を奥にやると、白く輝く二輪の乗り物があった。
「すごいわ! ヨツバさんはバイク運転出来るのね??」
意外にもエイミはバイクにも関心がある様だ。
「おっ、エイミちゃん分かるくち?? 普段パーツの調達にはこれを使って行ってるのよ! もう愛着マックスって感じ!」
「でもこのバイクってやつ以外は、なんてゆうか…見た目が地味じゃないか?」
アルドは思ったことをそのまま口に出す。
「そりゃぁそうねー、だって他のは私のじゃないもん! どうせ他の人の手に渡っちゃう商品だからそこまで力入らないのよねー!」
「えっ、それって普通逆じゃないのか?!」
「まっ、価値観は人それぞれってことよ!あ、そうだ! お礼しなくちゃだったねー!ちょっと待ってて!」
そう言うと再び工房の奥へ行きすぐに戻ってきた。
「はいっ! エイミちゃん!」
ヨツバはチョコレートが散りばめられたスイーツをエイミに渡す。
「これ私のお気に入りのお店のやつなの! すごく美味しいんだから!」
「えっ、美味しそう! じゃお言葉に甘えちゃおうかしら!」
エイミは嬉しそうに食べ始める。
「アルド君にはこれ!」
ヨツバはアルドにケータイを渡す。
「これって、エイミ達が持ってるやつだよな?」
「そうよ! 今時持ってないなんてあり得ないんだから! もう使える様にしてあるから、それアルド君にあげちゃう!」
「いいのか!? じゃあ、ありがたく貰っておくよ!」
「どうぞどうぞー! 使い方はエイミちゃんにでも聞いてね!」
そうこうしていると工房にもう一人見知らぬ女性が入って来た。
「あっフタバ! 今日は早いのね! 」
フタバと呼ばれたその女性は黙ってそのまま歩き出す。
「あのねっ、この二人はアルド君とエイミちゃんでこの前酒場で…」
「ごめんなさい、支度してくるから…通してもらえる?」
ヨツバの話を遮りアルド達の前を通り過ぎて行った。
「ゴメンねーハハハ。あの子は私の妹でフタバってゆうの! 多分エイミちゃんと歳も近いんじゃないかな?」
どうやらヨツバの妹らしい彼女は背は高くスラっとした体型で顔こそ少し似てはいたものの、性格はヨツバとは正反対といった感じであった。
「ヨツバさんの妹!? すごい美人ね!」
「性格がああじゃなきゃねー。でも昔はすごく明るかったのよ?」
話を聞くとどうやらフタバは以前勤めてた職場を辞めてから、家で引きこもる様になってしまったらしい。
それを見かねたヨツバは自分の工房で時々手伝いをさせているのだという。
「友達とも連絡取り合ってる様子もないみたいだし、姉として心配なのよねぇ。」
この時のヨツバは真剣な表情をしていた。この様子からも彼女は本気で妹の事を心配しているのだという事がエイミ達にも感じ取れた。
「そうだったのね…じゃあそれなら私がフタバちゃんの友達になるわ!」
「えっ?! い、いいの? 結構手強いと思うけど??」
エイミの予想外の言葉にヨツバは目を見開いている。
「なら早速今日うちに来ない? 仕事は早めに切り上げるから、みんなでご飯でも食べちゃいましょ!」
ヨツバの提案にエイミも乗り気であった。
ヨツバは仕事が終わったら連絡すると約束をし、エイミ達は工房を後にする。
そして夕方になるとヨツバから連絡があり、エイミとアルドは送られてきた住所の元へ向かうと、そこには二階建てのこじんまりとした家が建っており、表札には《ローズ》と書かれている。
「うん、ここみたいね! 早速呼んでみましょ!」
ベルを鳴らし家に入れてもらうと、もう既にヨツバが料理を作っていた。
家の中にはつい最近嗅いだ事のある匂いが漂っている。
「いらっしゃーい! 今お料理持ってくから、席について待っててね!」
そう言ってヨツバは皿いっぱいのステーキをテーブルに運ぶ。
「(まっ、またか!?)」
アルドは言葉を心の中で留めた。
「フタバは二階にいるから今呼んできちゃうわねー!」
そして二階からヨツバに手を引かれフタバが降りてくる。
若干嫌そうな顔をしたフタバだったがお構いなしにヨツバはまたアルドとエイミを紹介した。
「アルドだ!よろしくなフタバ!」
「エイミよ! 歳も近いみたいだし、色々お話ししましょ!」
二人は明るく声を掛けると、
「…よろしく…お願いします。」
硬めの挨拶ではあったが、とりあえず第一段階はクリアといったところだろうか。
ヨツバは三人の自己紹介を見届けるとアルドにトマトソースを渡した。
「好きなんでしょ? 酒場で話してるの聞いちゃってねっ!」
「えっ、ああ、ありがとう! 気が利くなぁヨツバは!」
アルドの言葉にエイミが反応する
「気が利かなくて、悪かったわね!」
「いやっ、誰もそんな事っ…」
アルドがあたふたしているとヨツバがエイミの耳元に口を近付け、
「それじゃ、私がいない方がフタバも話し易いだろうから任せちゃうわねっ!」
「えっ、ちょっ…」
慌てるエイミを尻目にニヤニヤしながら二階へ消えて行った。
「そっ、それじゃいただきましょ!」
そして食事をとりながらエイミは映画やテレビドラマの話をしてみるが今ひとつ会話が盛り上がらない。
何かフタバが興味ありそう話はないかと考えているとアルドが口を開いた。
「そういえばこの前エイミがヨツバから貰ってたデザート、美味しそうだったな! 俺も食べてみたかったよ!」
「ちょっとアルド、それじゃデザート出してくださいって言ってるような物よ! 無視しちゃっていいからねフタバちゃん!」
するとフタバは意外な反応を見せる。
「あなた達も…甘いもの好きなの?」
「えっ? えぇもちろん大好きよ! フタバちゃんも?」
この日始めてフタバの口から質問が出た事にエイミは心の底から喜びを感じた。
そこからは会話は弾み、お互いのプライベートにも少し触れるまでに至った。
「フタバちゃんって前はエンジニアだったのね! ちょっと意外だったわ!」
「ふふっ、あなたも…武器屋の娘さんには見えない。」
「そう? わりと自分ではそのまんまかなって思ってたけど…あと、あたしのことはエイミって呼んでね!」
「…分かったわ…エイミ。」
アルドはふと時計に目をやるといい時間になっていた。
「二人ともすっかり仲良くなってるなぁ!
でももう遅い時間になって来たからそろそろ行こうか!」
エイミとアルドは帰る前にヨツバに挨拶をしに行こうとするとフタバがそれを止める。
「姉さんは多分寝ちゃってる…私から言っておくわ。最近疲れてるみたいだから…」
「分かったわ、じゃご馳走さまでしたって伝えといて!」
家のドアを出るとエイミはフタバの方へ振り返る。
「それじゃ、また会いましょ!」
「うん……またね!」
エイミとアルドは帰り道、お互いに顔を見合わせると笑みを浮かべ帰路についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます