第13話 囚われの姫(予定)と強敵との遭遇
お、落ちてるぅぅぅぅ!!
これって、下手したら、地面に激突からの昇天コースじゃ……?
いやだーー!
ちゃ、着地!
着地しないと!
足から着地したら間違いなく骨折するし、胴からいっても確実にどこかしら骨が折れて、痛みで動けなくなる……って、もしかして私、詰んだ?
え、死ぬ!?
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!
死にたくないっ!
さっきは調子乗ってごめんなさい!
ナマ言いました、許して!
何か助かる方法はないかグルグルと考えていた私は、何かに当たったことに気が付いた。
──ポヨヨン
……ん?
〔▶ダンジョン隠しボス グラトニースライムLV.1 があらわれた!〕
〔▶ダンジョン隠しボス グリードスライムLV.1 があらわれた!〕
〔▶ダンジョン隠しボス スロウススライムLV.1 があらわれた!〕
……はい?
〔▶ダンジョン隠しボス グラトニースライムLV.1 があらわれた!〕
〔▶ダンジョン隠しボス グリードスライムLV.1 があらわれた!〕
〔▶ダンジョン隠しボス スロウススライムLV.1 があらわれた!〕
毎度お馴染みの透明な画面が、まだ理解出来ない?とばかりに、脳内に再び浮かび上がった。
え、何この化け物。
LV.1のくせに、滅茶苦茶強者のオーラ放ちまくってるんですけど!?
ここ初心者向けのダンジョンなんじゃないの!?
……いや、ちょっと待て。
あの透明な画面に、“ダンジョン隠しボス”って書いてあった。
要するに、私ってばダンジョンボスすっ飛ばして、いきなり隠しボスに遭遇しちゃった、みたいな?
え、嘘、私死んじゃう!
どうしよ──
「ッ!」
──ジュッ!
〔条件を満たしました。スキル【跳躍-1】を獲得しました。〕
危な!
何あれ?おかしいでしょ。
普通スライムの触手で地面抉れる?
いや、あれは多分溶かしてるだけ何だろうけど。
ということは、だ。
あれに触れたら、その時点で
さっきは咄嗟に跳んだから、ギリギリセーフだったけど、あの動きがまた出来るとは限らない。
もしかして、私、ここで死ぬ?
こうなったら、先手必勝──
「【
これは、ちょっと前にレベルが上がって使えるようになった魔法。
ただのスライムには、MPが勿体ないから使っていなかった。
これで仕留めきれなくとも、ダメージは負わすことが出来るハ……ズ……。
「っぇ」
我ながら情けない声が、思わず漏れ出た。
頭が真っ白になる。
スライムは、私が放った無数の氷矢を、全て喰っていた。
“グラトニースライム”というスライム。
そう、よく考えれば、すぐに分かったはずなんだ。
“グラトニー”これは英語で──“暴食”。
放出系統の魔法は通用しない。
私の目が、恐怖で見開かれた。
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