第4話囚われの姫(予定)と家庭教師
ゲームと言えば、ステータスって見れるのかなぁ?
あ、そうだ!
ここは羞恥心を忍んでアレを言ってみようではないか!
そう、異世界転生のお約束──
「すてーたす!」
──・・・──
「……何も、ないね。」
しばらく待ってみるが、やはり何も起こらない。
えぇ~。
ラノベでたまーにステータス出てこないヤツあったけど、いざその状況を体験すると、精神的にくるものがある……。
こう、『くっ、右目が疼く……!』とか言ってる中二病重症患者みたいな。
痛い!
私の心はハートブロークン!
↑(矛盾)
「うあぁぁぁ……」
ベッドの上をゴロゴロ転がる。
何でだよー!
異世界転生してステータス出てた先輩方はいるのに、どうして異世界転生してステータス出てこなくて羞恥心に身悶える先輩方と同じ気持ちを味わわなくちゃいけないんだよーー!
誰だよー!
私を異世界転生させたヤツ!
「ああぁぁぁ……」
早くこの記憶を忘れようと、ベッドの上をゴロンゴロンしていると──
──ゴンッ!ドサッ
痛っ!
どうやら、机に足が当たりその上に置いてあった本が落ちてしまったらしい。
本が開き、ページが私に見えるようになっている。
……ん?
これは……。
『~この世界の“唯一神ガタノトーア”様は……』
……この世界の、唯一神?
ラノベでは、よく神様が異世界転生させる作品が多かった。
唯一神ということは、その神以外この世界に神はいないってことだよね?
だとすれば、私を転生させたのは“唯一神ガタノトーア”という神の可能性が高い。
「まあ、いいや。」
どうせ神に会うわけでもないし、そもそも転生させてくれなければ、私は今生きてないしね。
それに関しては本当に感謝。
しかも、あと十年後に死ぬことを除けばかなりの勝ち組だと思う。
美人だし、お姫様だし。
前世の私とは大違い。
前世の私は冴えなくて、友達という友達も少なかった。
それに加えて、家庭環境もお世辞にも良いと言えないようなものだった。
まあ、友達はいただけマシだとは思うけど。
そんなわけで、転生させてくれた神様には感謝こそすれ、文句はない。
……別に、もっと寿命長い人にしてよとか思ってない。
第二王女なんかが良かったなんて思ってない。
ないったらない。
……ホントウダヨ?
──コンコン
「姫様、家庭教師の者が入室します。よろしいでしょうか。」
!
家庭教師の人だ!
「どうぞ。」
「失礼します。家庭教師のエメラインと申します。」
やったー!
ねんがんの かていきょうし があらわれた!
入ってきたのは、お下げ髪で瓶底眼鏡を掛けた女性。
THE・優等生!って感じの人だ。
これは期待できそう。
早く魔法を覚えてスライムダンジョンに行きたいなぁ。
家庭教師の人に気を取られていて、私は気付かなかった。
そんな私をリサが、本当に申し訳ありません!という顔で見ていたことに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます