第11話 辺境伯家
昼には辺境伯領に着いた。まぁ、正確には辺境伯家に着いた。辺境なだけに実家に帰るよりも多分倍は時間がかかった。しかし、辺境伯の家というか屋敷が実家とあまり変わらない。いや、調度品と屋敷の広さとか普通は違うと思うけど……うん、実家があんな感じなのは辺境伯からきてる気がす……いや、家は節約して領地経営してるから違うな。多分、辺境だから武具や馬とか武力の方にお金を使っていそうだ。
で、案内されたのはお客さん用の部屋ではなく、武器庫。しかし、うん、これは凄いね。あらゆる武器が置いてあるし、飾られてる。案内してくれた使用人曰く、「扱える武器でお好きなのを一つ、滞在期間中は旦那様がお貸します」というわけで、悩む。
「どれも扱えるといえば扱えるだけに悩みますね……これにします」
「……それでは、お泊まりになるお部屋に案内致します」
おや?壊した場合とか細かい説明もなく得物をえらんだら武器庫から出され、部屋に案内され始めたね。因みに選んだのは武骨な二対一体のダガー。この体で扱いやすい武器ってランスや槍、長剣、大剣、弓矢、剣、大槌、ハンマー、大鎌、ハルバートは難しい部類になり、扱いやすいのは短剣、ダガー、ナイフ、短槍、短杖、杖、鎖鎌、手斧、鎌、あたりかな?いや、自分の体に合う武器なら良いよ?大人用の武器をいきなり子供が持って扱えるってなかなかないと思う。適性があったとしてもね。
「では、お食事の時にお呼びしますが、屋敷探索等はしますか?」
「あー……今日は良いかな。うん、疲れたし少し寝るね」
「かしこまりました。では」
「っ!?……えぇと、なんの真似でしょう?」
「ちゃんと扱えるようで何よりです。では改めて失礼致します」
いや、手にした
夕方に起こされて、案内されるまま食堂に着き辺境伯閣下達と食事して、これからの予定を教えてもらった。遠征は明日からで、私はエルと一緒に辺境伯の軍と同行、総指揮は辺境伯の長男様で補佐が辺境伯閣下と長女様、私が入る隊の隊長が辺境伯の次女様。うん、親族は奥様と次男様以外出陣するらしい。これが所謂、脳筋一家と名高い?辺境伯家か……家とはかなり違うね。
一先ず、明日の朝早くには屋敷の前に集合、出発なので部屋に戻って装備の確認……持って行くのは借りたダガー、学園で演習に使った装備一式のテント、寝袋、ランタン、ナイフ、鉈、テントの支柱用兼武器の短槍2本、短剣2本……この子供の体だと持ちすぎだが短剣は影に入れれば良いし、魔法で多少の力を上げたり、戦闘時は荷物を捨てればいい。いや、馬が居れば荷物を預けやすいし楽だが……補助なしはポニーサイズの馬しかまだ乗ってないしな。
「サイ様、少し良いですか?」
「?まぁ、良いよ。準備して寝るだけだし」
「失礼します」
「一応は、僕は客でエルはこの家の住人のはずだけどね」
「いえ、どこだろうと私はサイ様の従者ですから」
「それなら良いけど……なにか用?」
「サイ様、正直に言ってくださいね?乗馬の経験は有りますか?」
「有るけども……補助なしはポニー位だね。因みに明日からの移動って」
「基本はバトルホースです。一応、踏台を用意して乗れるようには出来ますが……」
「身体強化を使えば乗るのは出来そうだけどね。ただ、いきなりの衝撃で暴れそうだし、毎回踏台使うのもあれだし、走れば良い運動になるかな?」
「……分かりました。サイ様は私と一緒に私の馬に乗って行きましょう。私が先に乗ればサイ様を引き上げて乗せるだけなので台も要りませんし、これなら問題ないですよね?」
「……まぁ、良いけど。エルは準備終わった?」
「終わっます。なので、明日からよろしくお願いします」
「うん。うん?……自分の部屋で寝ようか。というか、ちょくちょく僕のベットに入ろうとしない」
「……何故か暗闇に1人で居るのが怖いんです」
「(やりすぎたか?)はぁ、しょうがないなぁ」
仕方ない、こうなったら多少暗示をかけ直すべきか?いや、素人故にやりすぎは良くないか。依存をちょっとさせすぎた気もするが、そうしないと狩りが出来なかったしなぁ……まぁ、なるようにしかならないか。
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