自由帳

キマ

不気味

私は出身地は沖縄県なのですが、小学校入る前に愛知県名古屋市に引っ越す事になり、船で三日かけて名古屋に着いたのですが、まず最初に驚いたのが、「電車、鉄道」というモノ、存在を生まれて初めて見て、とても興味が湧きました。当時(2007年)の沖縄には、空港に繋がるモノレールがあったが、最近(2003年)出来たばかりなので、私は乗った事ありません。空港には何回か行ったが、交通手段は車でした。なので、初めて名古屋で鉄道を見たときは本当にびっくりしました。

 そんな感じで引っ越しの準備が終わり、凄くワクワクしていた最中、私が住んでいた家(団地)の奥にさっき見た鉄道のような高架があって、私は「名古屋には色んな電車があるんだな」と思ったのですが、ちょっと電車にしてはおかしいなと思った箇所がありまして、、高架が繋がってないとこがあるんですよ。

 その前に栄に行く用事があって、私は地下鉄を初めて使い、地下に電車が通る以前に、地下に人が居る自体がとてもびっくりして、「変わった場所」と第一に感じたが、その衝撃もあって、「ワンチャン電車が空を飛ぶんじゃないか?」と確信し始めて、じーーっと様子一時間位を伺ったが、その高架には電車が走る事は無く、

その後も、団地の外で遊ぶ度に高架の様子を伺うも、電車は走らない。

電車が通らないんだったら未だ建設中の電車か、、にしても工事の作業の様子が無い、、人専用の通路を作ってるのかな?

遂にはその高架の存在が怖くなり、「なんでこんなとこにあるの?何なの一体?」と不気味に思うようになり、高架を見るたびにぞっとするようになりました。

私が見た場所は、名古屋市営地下鉄名港線の六番町駅辺りの公園で見た記憶があります。後で、愛知県武道館辺りでも同様の不気味な高架を見かけた事がある。

結局真相が分からないまま、七年後に沖縄に帰るのですが、つい最近、googleで、「名古屋市港区 高架」って検索をかけたら、検索結果の一番上に「南方貨物線」という固有名詞が出てきて、「南方貨物線」って画像検索したら、私が見たあの不気味な高架の画像が出てきた。名前の通り、貨物線な訳だが、某百科事典サイトでその真相を暴いた。2007年から14年続いた謎を解き明かしたのだ。

南方貨物線 日本国有鉄道(旧国鉄)が東海道本線の線路を増やすための線路。要は東海道本線の貨物支線です。

貨物線という事は解った。じゃあ何故電車は通って無いのか?何故線路が途中で切られているのか?

今(この記事が書かれたのは2021年)から54年前1967年、建設が始まったものの、新幹線の騒音問題で裁判になり、また16年経った時には財政難や、貨物線の需要が大幅ダウンし、建設が止まってしまった。民営化後も、この貨物支線の工事は行われず、高架の半分以上は完成していたが、現在は解体作業が行われている。


そんな苦い歴史があったとは驚きでした。

しかし、かえって思い出してみると、もう一回あの高架を見てみたいなとなんだか懐かしく感じる。


この状況が落ち着いたら、取り壊される前に見ておきたいなぁ。


そんなお話でした。

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