孤高の人
「っぱ、排気量でしょ」
「メーカーは? 男カワサキ!」
「あんた
「タ、タイヤの太さなら」
「端まで使えてんのかって話は?」
「豊富な経験を……って、経験人数じゃないですよっ! 乗ってきた台数です、台数」
「一回こっきりの関係も数に入れていいの?」
「ユキの意外なアバンチュール告白!」
「ちがっ、試乗会よ、試乗会っ」
「ま、こーいう場合は所有っーか、ちゃんとオーナーになった数じゃない?」
「そうすると車両価格も入ってくるよね」
「それ言ったらカスタム費用もね」
「膝擦ったとかステップ削ったとかも忘れないで欲しいね、走り屋としては」
「私はそう言うのよりも筑波で何秒台って方が多いと思います」
「ツーリングライダーの私から言わせて貰うと一日で走った距離ね」
「一年で、とか積算でとか。ニンジャ乗りはメーター何周目とかよく聞くよ」
「おー、大事なの忘れてたよ。この前いたじゃん、第三京浜の直線番長。やっぱ最高速じゃない?」
「ま、基本的に違法行為なんだけどね。あいつこの前保土ヶ谷パーキングで偶然会ってちょい話たんだけどいい奴だったよ」
「何それ。あんたあんなのがタイプなの?」
「そんなんじゃないわよ。ただオモロい奴だったって話」
「違法行為っていったら、やれ白バイから逃げたとか、やれネズミ捕りから逃げたとか、そーいうのはもうパパたちの世代の話ですよねー」
「オヤジ世代のさらに上だと免許が最初から大型まで付いてきたとか?」
「あ、私今NSRだから大型免許ってのもありますねー」
「あんたHRCのチャンバーのままだったら音のデカさなら取られないでしょ」
「そういや前伊豆スカ走りに行った時いなかった? 自分は昔安く買ったのに今は値段が何倍にも跳ね上がったっての」
「お待たせしました」
マスターがユキとゆず季ちゃんの頼んだスイーツを運んできてくれた。
本日は孝子とユキとゆず季ちゃんとでいつものライダーズカフェ。この面子で
平日なので、さっきまでカウンター席でマスターと話込んでた常連のお爺さんと私たち以外お客さんはいない。スイーツでも食べながらゆっくりと女子会。と言っても、あんまり甘いものを食べない私と孝子はフライドポテトをつまんでるんだけどね。
「盛り上がってますね、何の話題ですか?」とマスター。
「いやー、男の人がアタシたちに取りがちなマウントの話ですよ」
「……僕カウンターに戻りますね」
「イヤイヤ、仲良い人はイイんですよ。結局アタシたちもなんだかんだでマウント取るタイプなんで」
「バイクってそういうもんですよねー」
「バイク乗りの
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