設定用語集(第三章)

・クエスト(追記)

 クエストには通常二種類存在する。

 基本的に道中で得られた物は魔道士の所有物になり一攫千金が狙えるが、

 それを得るために寄り道をする等は禁止されている。

 ■通常クエスト

 時空管理局が仲介しギルドに紹介するクエスト。

 局によって内容を精査されランクをつけ紹介される。

 報酬額は大まかな相場があり、大体は依頼者から支払われる。

 報酬の3~4割は仲介料として差し引かれ、

 ギルドにも2~3割ほど差し引かれるため、魔道士の手取りは最高でも5割ほどになる。

 種類としては探し物から護衛、モンスター討伐など、多岐にわたる。

 

 ■緊急クエスト

 臨時またはチーム、個人宛てで依頼されるクエスト。

 特に事件、事故など時間が限られた物が多いが、あまり成功率が高くないのが現実。

 これは今の局のシステムでは手続き、選定などで時間を使っていて、

 着手までに時間がかかるからと言われている。

 そのため緊急クエストを優先的に受ける少数精鋭型のギルドまたはチームが構想されている。

 エルメント・ジュエルはこの構想の一つで、このギルドの結果で今後の方針が左右される。

 

 事件、事故などは報酬が無い場合が多いが、参加魔道士に褒賞として局から支払われる場合が多い。

 またランクに関する評価が非常に高く、多く熟せれば、瞬く間に高ランクになることもある。


・暴走(追記)

 何らかの理由で高い魔力を持ってしまったがために制御しきれなくなった状態。

 基本的に大量の魔力が原因である為、魔力が無くなれば自然と収まる。

 大きく分けて二種類ある。

 ■獣の暴走

 暴走と言えばこのパターンが連想されるほどに有名な暴走。

 獣のように本能や欲望に任せて暴れまわることからこう言われている。

 自身の身が滅びようとお構いなしで暴れまわる為、高ランクの暴走は当人が死ぬこともある。

 

 ■静かな暴走

 自覚も無く、誰にも気づかれないこともある暴走。

 基本的に当人の能力の制御が出来ていない状態で、それ以外は変化が無い。

 リリスも暴走の範囲を変化させることが出来るだけで、範囲を無くすことは出来なかった。


・魔封石

 特定の地域で採掘される魔法を打ち消す鉱石。

 魔力マナの元となる粒子を変形させ、性質を失わせているから魔法が消えると考えられている。

 打ち消す範囲は石の大きさに比例する。

 ■AntiMagicSystemアンチマジックシステム

 ある科学者が作った対魔導士用システム。魔道士にはAMSと呼ばれている。

 魔道士を一気に無力化させるほど強力で、専用の対策が無ければ魔道士に勝ち目はない。

  ■ガジェット

  AMSを搭載した化学兵器で魔法武器、科学武器を使い分けて襲う。

  AMS起動時は物理攻撃、AMS終了時は魔法攻撃と動きが別れているため、弱点もはっきりしている。

  リンシェンの解析により光エネルギーを電気エネルギーに変換して動かしていることがわかった。

  また米粒大の大きさで打ち消す範囲を操作していることから、

  電気エネルギーが範囲操作に影響しているものと思われる。


・禁止魔法

 時空管理局の規定により使用することが禁止されている魔法。

 主に非人道的な効果や人を殺すために使われる魔法、呪印などを指す。

 悪用すれば危険な魔法が多いが、“魅了チャーム”も諜報目的、

 “空間転移”も国間での魔道士の移動など、乱用しない形でなら黙認されている。

 また乱用の目的で禁止魔法を使った魔道士は犯罪者として捕縛または討伐の対象となる。


・ボロニア

 砂地が多いが水に恵まれた国。一日の時間がメリオルの十倍以上ある。

 一年を通して温暖で土やレンガで作られた建物が多く、魔法を中心とした文化があるが、

 ボロニアの人間にとってメリオルが極端で非常に厳しい環境であるため、局の魔道士になろうと言う人は少ない。

 また時間感覚の違いから加齢がとても遅いため、仲間になっても取り残されることになる。

 非常に濃い魔力マナが漂っている環境なため魔力の回復は早いが、

 慣れない人間には酔ったような感覚になり、体調不良になってしまう。

 これは魔力マナの刺激で過剰に反応してしまうためと言われている。

 科学世界は魔力マナが少ない環境のため、

 この感覚自体が退化して感覚が鈍くなったので影響は少ないと言われている。


・人間

 足または尾で地に立ち、言葉を交わし、知恵をもつ生き物で、

 人種ひとしゅ、亜人のことを指す。

 ■人種ひとしゅ

 全世界で最も個体数が多く、爪や牙といった戦うための身体の機能を持たない代わりに、

 複雑な知恵で他の生物と戦う種族。数多くの魔法や道具を使い、様々な環境に適応して生きている。

 魔道士としては基本となる能力が一つしかないが、知恵や道具で疑似的に複数の能力を使っている。

 生活環境で性格面がバラバラで協調を大事にする人種ひとしゅもいれば、個を大事にする人種ひとしゅもいる。

 近年一部の地域を除き、個体数が減少傾向にある。

 

 一部の人種ひとしゅは亜人を同じ人間とすることを毛嫌いしており、

 密かに亡き者にしようとしている者がいる。

 

 ■亜人

 人種ひとしゅを基本ベースに他の生物の特徴または力を体に宿した種族。

 魔道士としては人としての能力と他の生物としての能力の二種類を持ち、

 特化された魔法を使う者が多く、条件によっては人種ひとしゅより勝ることがある。

 ただし全体的に直情的なところがあり、人種ひとしゅの策略にはまることもしばしば。

 

 野生に近い環境で生活しているため、子供でいる期間が短く、その間飲食をしなくても生きていける種族もいる。

 

  ■魔族

  人種ひとしゅに悪魔と呼ばれる生き物の力を宿した種族。

  凶暴で冷徹な一面を持つ反面、人種ひとしゅの生活に溶け込む能力が高く、

  亜人としての特徴が表立つことが無いため、人種ひとしゅのなかには魔族と気付かないことが多い。

  また人種ひとしゅと遺伝的に似ていることから、子を成すことが確認されているが、

  必ずしも混血が生まれるわけではない。

  人種ひとしゅよりも長い期間身籠ることが確認されている。

  また基本的な食事を必要としないが、種族によって生きるために必要な物が違う。

  人種ひとしゅの生活に溶け込むために通常の食事も出来る。

  魔法に長けた能力を持っているため、珍しい魔法や卓越した能力を持っていることが多い。

  代表的な種族に吸血族がいる。

   ■夢魔族むまぞく

   魔族の一種で個体数はかなり少く、外見で人種ひとしゅと見分けることが出来ない。

   精神操作魔法が得意で、多くの生物を奴隷として従えてると噂されているが、

   その理由は生物の魔力を奪い吸収するためだと言われている。

  

  ■猫族

  人種ひとしゅに猫の獣の力を宿した種族。

  きまぐれだが、一度心を許した相手には苦労を惜しまない性格。

  動きが素早く、立体的な限定空間内では驚異的な回避力を見せる。

  また夜目が利く、気配を殺して動けるので諜報活動で高い功績を残している。

  遺伝子が不安定で同じ猫族でも多くの種類がいる。

  また遺伝的に似ている犬族との混血が多い。

  代表的な種族に家猫族、獅子族などがいる。

  

  ■犬族

  人種ひとしゅに犬の獣の力を宿した種族。

  忠義心が強く、仲間思いな反面、敵には一切の情けを持たない性格。

  匂いに敏感で、索敵や危険の早期発見などの功績から貴族の騎士として人気が高い。

  また集団行動が得意なためチームで動くことが得意。

  遺伝子が不安定で同じ犬族でも多くの種類がいる。

  また遺伝的に似ている猫族との混血が多い。

  代表的な種族に家犬族、狼族などがいる。

  

  ■蛇族

  人種ひとしゅに蛇の力を宿した種族。

  温厚な性格だったり気性の荒い性格だったりと種類によって性格は変わる。

  上半身は人種ひとしゅ、下半身が蛇の姿をしていて、

  足は無いが人種ひとしゅと似た姿勢で進むことができる。

  下半身で絞める強さは人種ひとしゅの数倍強い力を持っており、

  その下半身を使った戦い方を得意としている。

  また温度を感知する能力に長けていて目に頼らずに相手の位置を認識することが出来る。

  代表的な種族に火蛇族がいる。

  

  一部の蛇族に伝わる魔法に目を合わせた相手を石化させる禁止魔法がある。


・サポーター

 時空管理局内にある魔道士を支援する部隊。

 映像の撮影からレーダーによる探知など多方面から魔道士の仕事を支える陰の功労者。

 基本的にチームの代表者に数名付く形で、同じ人がサポーターになる場合が多い。


風石ふうせきの魔女

 大昔に存在した女性の魔法使い。個人名は不明だが通り名だけは広く知られている。

 暴走で愛する人を全て石にしてしまい失った悲劇のヒロインとして現在にまで語られる有名人。

 彼女が深い愛情を持てば持つほど、その相手を石化させやすくなり、風化し砂となって崩れていく。

 あまりの惨劇に彼女自身の精神が病み、苦しみながら死んだと記録されている。

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