第7話自ら得ようとしなかった愚か者

一つの殺風景な個室内にてゴウミはベッドの上に座っていた。

ゴウミはハプニングがありつつも仕事に専念していた。

執事見習いの仕事は忙しくはあった。

掃除に洗濯に食事のセッティングに来客の応対等々をヘルミーとゴウミで熟していった。

今までそれを一人で熟していたヘルミーやベイリーが熟していたのは凄いとゴウミ自身も働きながら感じていた。

しかし、それでも彼は思った。


(転生前の元居た職場より!! デンター組織の奴隷よりも!! 全っ然楽ううううううう!!)


今ではゴウミは三食寝床付でテキパキとした対応にゴウミの少しの失敗にもヘルミーはすぐに対応した。

そして、失敗しても最初の内はみんなそういうものだと言ってゴウミへのフォローも完璧でゴウミに掛かる負担もかなり楽になっていた。

しかし、だからこそである……だからこそゴウミは不満が溜まっていた。


「もっと僕を責めてくれよ! もっと僕をなじってくれよ!! 僕を扱き使ってくれよ!! 食事もなしで睡眠もなしで働き詰めで少しでも休もうものなら叩き伏せてくれよ! 躾という名のストレス発散してくれよ!! 苦痛と苦しみを僕にもっと与えてくれよおおおおおお!!」


とつい叫んでしまった。

バン! とドアが勢いよく開き


「大丈夫か! 物凄い声がしたぞ!」


と見回り中のリブアイが現れた。

ゴウミは


「だっ大丈夫です! 気にしないでください!」


と手を振りながら慌てて誤魔化そうとした。

リブアイは心配そうな表情で


「ほっ本当か? 大丈夫か? 一度ナンジー医師に診て貰った方が……」


と不安そうに聞くがゴウミは


「ほっ本当に大丈夫です! すみません! いきなり大声を出して!」


と冷汗を掻きながら伝える。

リブアイは


「わっ分かった……何かあったら遠慮なく言うんだぞ?」


と言ってそのまま見回りに戻った。

ゴウミは


「ふう、さすがに危なかった……もうちょっとで同情されるところだった……これ以上優しくされるのは心の毒だぞ……」


と優しくされることをゴウミは恐怖していた。

そして、ゴウミは


「しかし、この状況早く何とかしないとなあ……今は大丈夫だがいつか僕も限界が来るぞ……でもいったいどうすれば良い……」


と頭を悩ませていた。


(今までだとご褒美ない事なんてなかった、転生前の家族は……まあ普通の家庭で僕に冷たく当たることは無かったから何か物足りなさを覚えていたが……幼稚園ぐらいから僕は喜びを知ることを出来た……そうだ! 僕が今までどうやってご褒美を貰っていたのか過去を思い出せば何かいい考えが生まれるかもしれないぞ!)


と考えて自分の転生前の過去を思い出すことを始めた。


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保育園時代二郎


子供達がたくさんいる大きな部屋で二郎はクレヨンを使ってお絵描きをしていると、


「おい! 二郎! それは俺のクレヨンだぞ!」


1人の体の大きな男の子が二郎に向かって言った。

二郎はびっくりしながら


「え? でもこれは皆が使って良いクレヨンって先生が……」


と言い返すとその男の子は


「うるせえんだよ! 俺のだそれはあああ!」


と言ってミニカーを片手に持ってそのまま二郎の頭を


ガッ! ガッ! ガッ!


と叩きつける。

二郎は


「アへえ! アへえ!」


と悲鳴を上げながらミニカーで殴られ続ける。

すると


「コラ!! 止めなさい! 何をしているの!」


と言って幼稚園の先生が止めに入った。

すると男の子は


「クレヨンは俺のだああ!! 俺のなんだああ!!」


と言って聞こうとせず、先生は


「いい加減にしなさい! このクレヨンは皆のです! それに貴方は二郎君よりも3つも年上なのよ!! 2歳の子に何てことするの!」


と叱りつける。

しかし、二郎は


「先生そんなに怒らないで、クレヨン渡すよ」


と笑いながら言った。

それを聞いて先生は説得するように


「そんな……ダメです! 例え二郎君が良くても他の子達に同じような事をするかもしれないの! だからちゃんと叱らないと!」


と言ってきっちりその男の子に叱りつけた。

その後、高そうなコートを着ているメイクの濃い母親が来てそのことを先生は報告した、

しかし、


「ハア!! ふざけんじゃないわよ! その子が私の楽ちゃんから遊んでたクレヨンを取り上げたんだわ! そうよね! 楽ちゃん!」


とヒステリックを起こしながら先生に怒鳴りつけて、楽と呼ばれた男の子に聞く。

するとニヤニヤしながら


「うん! そうだよ! お母さん! こいつが僕から奪ったんだ!」


と平然と嘘を吐いた。

それを聞いて母親は


「ほら! 私の楽ちゃんは悪くないじゃない!! 謝りなさい! 2人して土下座しなさい!!」


と2人に言い放った。

それを聞いて先生は


「しかし! ミニカーで叩きつけたのは楽君です! さすがにちゃんと謝って頂かないと!」


と反論するが母親は


「ああ! てめえ!! 保護者に楯突く気か!!」


と言ってその先生の髪を引っ張り


「痛い!!」


と言って嫌がる先生の耳元でほくそ笑みながら


「おいよく聞けよ……お前が夜の街で働いているの知ってんだからなこっちは……バラされたくなければ……お前如きがこの仕事続けたいなら逆らうんじゃねえ……いつだってお前を潰すことが出来るんだ……分かったらこっちの要求に答えろ……そっちのガキと一緒に詫びを入れろ」


と冷たい目を向けながら言った。

先生は真っ青になった。

それを見て二郎は


「分かった……でも先生はどっちの味方をしないといけないから僕だけが謝るだけじゃダメ? お願い」


とその母親に頼んだ。


母親は鼻で嗤いながら先生を見て


「無様だな……子供にあんなことを言わせるなんて……」


と言って二朗の方を見て


「分かったわよ……私は心が広いからそれでいいわよ」


と二郎を見下しながら承諾した。

それを聞いて二郎は頭を下げて


「ごめんなさい」


と目を瞑った謝った。

母親はゴミを見るようなんで


「ぺッ! クソガキが……」


と唾を吐き捨てた。

先生は悔しそうにしたが何も言えなかった。

二郎は興奮が最高潮を迎えて


(あへええ……にゃんだこれは……良い……何か今まで貰った玩具よりも!! 今までにあった喜びよりも!! 良い!!)


とアへ顔になりながら思った。

その後、2人が帰って行った後、先生は二郎を抱きしめて、


「ごめんなさい……何も出来なくて……ごめんなさい」


と涙をボタボタと流しながら謝った。

二郎は戸惑いながら


「え? あ……はい」


と言っただけであった。

その後、先生は二郎の母親に事情を話して謝罪した。

すると、二郎の母は


「そう……大丈夫? 大変だったわね……気にしないでください……先生は悪くありませんから」


と慰めるように言った。

先生は悔しそうにしながら


「は……い、大丈夫……です……」


と絞り出すように言った。

そして、母親は二郎に


「二郎も辛かったね……大丈夫?」


と心配そうに聞くと


「え? ああうん……大丈夫だよ?」


と何が何だか分かっていなかったが、母親に返答した。

そして、その日先生は帰って行った。

しかし次の日、二郎が保育所に行くと先生は都合により退職した。

それが切っ掛けで二郎はその男の子に先生を辞めさせた元凶として吊し上げられて皆に迫害を受け続けた。

二郎の幼稚園時代はそこから花が咲いた。


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小学生時代二郎


二郎は学校では好成績を維持していた。

積極的に授業でも手を上げて参加し、テストでは高い点数を出し、スポーツもかなりいい成績を残していた。

しかし、そのせいか他の生徒は二郎をあまり良く思っていなかった。


「お前! 俺等より点数が良いからって調子に乗ってるだろ!!」

「しょっしょんないよ!! アへえ!! アへえ!!」


数人を連れた男の子が代表になってバシバシと蹴りを入れていた。

その連れられた生徒は


「良いぞ! 楽ちゃん!! やっちまえ!」

「キモイ笑い方しやがって!! 頭おかしいんじゃねえか!」


と言って二朗へと罵詈雑言を並べる。

楽は笑いながら


「お前みたいなのを疫病神って言うんだろうな! 保育所では先生を辞めさせるわ俺より良い点数を取って俺のメンツを潰すわ!! お前が皆の迷惑になってるのが分からねえのか!」


と言って蹴りを入れ続ける。

その度に二郎は


「アへえ! アへえ!」


と嬉しそうに蹴られる。

すると


「お前等」


と言って1人の先生が現れる。

普通なら先生はこの場でいじめを止めるだろう。

しかし、


「フン、問題にならないように気を付けろよ」


と鼻で嗤ってそのまま立ち去る。

楽と数人の生徒は


『はーーい』


と笑いながら返事をした。

先生も自分が黒板に間違えたことを二郎に指摘されて恨みを持っていたのと自分のクラスではいじめは起きていないという名目を守りたかった為に、いつも二郎のいじめの現場を見ても見て見ぬふりを決め込むか問題にならないように見つからないようにと多少の事後処理をすることであった。

そして、そのおかげで二郎は


「アヘええ!! アヘえええ!!」


小学生時代は自身にとって素晴らしい生活を送ることが出来た。


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中学時代二郎


二郎は小学生時代と同じく好成績を取って過ごしていた。

しかし、それは喜ばれる事ではなかった。

兼(かね)成(なり) 楽(らく)より成績が上であったのが原因だ。

兼成 楽はこの街では幅を利かせている企業グループの息子であった。

そして、そんな親の息子である卓の成績より上位であることに先生と他の生徒も不満に思っていた。

楽は二郎を睨みながら


「てめえ! いい加減にしろ! ゴミ! てめえみたいなゴミが俺と同じ高校に学費免除で推薦狙ってるだと! 馬鹿じゃねえのか! 推薦は俺だけが貰うんだよ! どうしたゴミ! 何か言いたそうだな!」


と怒鳴りながらう二郎は蹴っていた。

二郎は


「アへえ! アヘエエ!! いやあ……僕ん家貧乏で……学費免除した方がお父さんもお母さんも助かるみたいで……それで……」


と二郎自身の事情を話すがそれを聞いて楽は睨みつけながら


「知らねえよ! ゴミ! てめえみたいなゴミの言い分何かどうだっていいんだよ!」


と言いながら二郎は蹴られ続けた。

二郎は


「アへえ! アへえ!」


と喜びながら蹴りを貰っていた。

しかし、その後も二郎は好成績を取り続けた。

二郎自身も下に妹がおりその妹の為にも学費免除は受けたかったのであった。

しかし


「富田、お前受験を辞退しろ」

「え?」


先生からはそんな言葉が飛んできた。

先生は呆れたように

「お前が好成績でしかも楽様より上の点数でその上推薦で入るなんて……身の程を弁えろ……」


と当然の様に言い放った。

二郎は


「アへえ……でっでも学費免除しないと父と母と妹にも悪いし……」


と興奮しつつも反論すると先生は


「あのなあ……そんなのはお前が安い高校に受かれば何の問題もないだろう……楽様と違い身分の低いお前如きがあの偏差値の高い高校に入ろうだなんて……少しは空気を読みなさい……お前はそれだから駄目なんだぞ? そういうのは社会でやっていけないぞ? 先生はなお前の為に言ってるんだ」


と見下すように言った。

二郎は


「アアヘエエ、でも僕自身の人生にも関わる事なのでは……」


と何とか学費免除を失わないように粘ってみたが


「お前の人生なんて楽様と違ってどうなったって構わないだろ? 楽様の栄光ある道と比べればお前の人生に対して悲しむ者なんてたかだか親や家族ぐらいだろ? しかし楽様が踏み外すとたくさんの人が悲しむ、成功するべき人間と別にしなくともいい人間ぐらい分かって欲しいもんだよ……まあ今回はお前には縁がなかったって諦めるんだな……受験先にはもう伝えてあるからどうしたってもう遅いんだけどな」


と言ってもはや二郎は学費免除の受験を諦めざる負えなくなった。

二郎は


「ひゃっひゃいいい!」


と笑顔でそう答えた。

その後、そのことを親に話すとさすがに泣かれた。


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高校時代二郎


二郎はその後一番安い高校へと入学してそこでも何とか好成績で高校生活を過ごしていた。

しかし、悪い噂は何故かその高校でもいじめは続いていた。

しかし、二郎にとってその状況は彼にとって素晴らしい青春時代であった。


(ああ……皆が僕をゴミ同然に見ている……この居心地の悪さあ……しゃいこうだ!!)


と楽しく過ごしていた。

しかし、さすがに家族の為に成績を維持していい大学に入りバイトをして何とかしようとちゃんと将来の事も考えていた。

そして、目に着けたのはスカラシップ入試であった。

その為、好成績を取り続ける必要があった。

しかし、結局その願いも完膚なきまでに潰えたのであった。

理由は悪い噂が尾鰭を付けて他の学校にも流れた事や高校の教師も二郎の通知表にあることない事を記載していったことが原因であった。

先生は


「自業自得だな……子供の頃に兼成君を殴ったりその保育所で先生を辞職まで追い込んだり、成績優秀な兼成君に嫉妬して虐めていたそうじゃないか……日頃の行いが悪いせいだ……諦めろ」


とバッサリと切り捨てた。

二郎は笑顔のまま


「そうですか! 分かりました! 諦めます!」


と言ってそのまま職員室を出た。

先生は出て行った後ボソっと


「何笑ってだよ、気持ち悪い奴」


と言っていた。

それを聞いて二郎は


(アヘエエ! 僕の人生上手くいかない! 気持ちいい良いい!!)


とあまりの絶望に喜びが漏れていた。

そして、その日二郎は久しぶりに兼成楽に出会った。

そして、楽は笑いながら


「お前……今日スカラシップを諦めるように教師に言われただろ」


とほくそ笑みながら言った。

それを聞いて二郎は


「どうしてそのことを?」


と不思議そうに聞いた。

すると楽は嫌な笑顔で


「それは俺がそうさせたんだよ! 俺が噂を流して俺がお前の将来を邪魔してやったんだよ!!」


と言い放った。

それを聞いて二郎は


「へえ、どうして」


と少しニヤニヤしながら聞いた。

邪魔されたや噂を勝手に流されたことだけでも興奮が止まらなかったがそれ以上も聞きたくて仕方なかった。

すると楽は


「そんなの!! お前みたいな勘違いした奴の人生を矯正するために決まってんだろおおおおおお!! いるんだよなあああ!! 貧乏でゴミの分際で身の程を弁えずに自分は他とは違うとか思っちゃうう勘違いさんがあああ!! 良いか! お前等みたいなゴミ同然の貧乏人は一生そうやって地べた這いずって汚らしく俺等みたいな高貴な存在に笑われて侮蔑されながら過ごせばいいってのによおお!! まあ俺は優しいから! お前等が間違った道を進まないように矯正する義務があるんだよ! 高貴な存在はお前等と違って責任感があるんだよねええ!! まさかお前自分なら出来るとでも勘違いしちゃったのかなああ!! どうした悔しいか! 悔しいなら文句でも言ってみるかあああ! 言えないよなああああ!! この下民が!」


と嘲笑いながら二郎に言った。

二郎は滂沱の涙の流しながら


(楽君…… アヘエエ! 僕の人生を矯正するためにこんなことまで!! まさかそんなことまでしてくれるなんて!! アヘエエ!! 本当に感謝しかない!! アヘエエええええ!!)


と心の感情が爆発寸前でイッテしまいそうになった。

しかし、何とか感情を抑えて話を聞いていた。

すると楽は


「まあ安心しろよ! ホームレスの様なゴミにはならないように俺の会社で雇ってやるよ! お前みたいなゴミにはお似合いな部署にな! ああ! 俺ってなんて優しいんだ! こんなゴミにも慈悲を与えてやるなんて! ほら! 高貴な存在に慈悲を与えて貰ったら何て言うのかな!! まさか! 分からないのか! やっぱりゴミは嫌だねエ!」


と嘲笑い続ける。

二郎はすぐさま頭を下げて

「ありがとうございます!!」

と全身全霊を込めてお礼を言った。

楽は鼻で嗤いながら


「フン、豚でもお礼を言うぐらいは出来るか」


と言ってそのまま痰を吐き捨てて立ち去った。

二郎は嬉しさで涙が止まらず


(なんて……何て良い人なんだ……僕を雇ってくれるなんて! それに僕の人生をゴミの様にしてくれるなんて!! ああ! 興奮する! そこまでして俺にご褒美をくれるなんて……しかも雇われたらある程度はお金を貰える! そしたら妹の学費を多少は工面できる! そうすれば妹は進みたい人生を歩ませることが出来る! まさに一石二鳥じゃないか! ありがとう! 君はとても大切な友達だよ! 楽君! 君みたいな素晴らしい人間に会えるなんて! 僕は何て幸福なんだ!)


と心の底から感謝した。

そして、二郎は兼成グループの子会社に入社して一人暮らしの社宅へと移った。

そして、自分が生活できるギリギリの金額を残して妹の学費の為、仕送りをした。

そのお陰で妹は街を出て別の街の偏差値の高い高校に学費免除で入ることが出来た。

妹は


「ありがとうお兄ちゃん、いつもごめんね……絶対に! 絶対にお兄ちゃんの事助けるから!」


と二郎に言った。

それを聞いた二郎は


(一体何のことだろう……)


と不思議に思いながらも取り敢えず


「えっと……期待しています」


とだけ言った。

その後、妹はバイトをしながら生活費を遣り繰りしていた為、二郎自身もう仕送りをする必要はないとの事で金銭的に余裕が出来て無事SMクラブで自分にご褒美をくれる女王様と出会う事が出来た。

そして、そのことが切っ掛けで腹上死して転生することになるとはこの時の二郎は思いもよらなかったのであった。


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ゴウミは


「僕も転生前は色々とあったなあ……あんなに興奮した人生を送ることが出来るなんて……すべては楽君のお陰だ……ありがとう、楽君」


と再び卓君に対しての感謝の気持ちでいっぱいになった。

そんな時にふと気づいた。


「あれ……今気づいたけど……僕って……今までご褒美を与えられていただけじゃないのか!」


と自分から進んでご褒美を掴んでいなかったことに気付いた。

あったとしてもSMクラブでお金を払って貰ったぐらいでほとんどは楽君が敷いたレールを歩かせて貰っていただけであった。

楽君がいたからこそ、公開のない素晴らしい人生を歩む事が出来たのであって一度も自分でご褒美を得るような経験をして来なかったのであった。

そして、この世界でも母親と父親にご褒美を与えて貰い、そして2人が敷いたレールの上を歩いた結果、デンター組織に入っただけであった。

それに気づいたゴウミは


「僕はバカだ……そんなのいつかこうなるに決まってるじゃないか! 自分で自分の将来を決めて来なかったくせにご褒美がなくて何が不満だ! 何て傲慢な事を……今まで自分でご褒美の貰える未来を掴んでこなかっただけだろ! 僕のバカ!」


と自分を卑下した。

与えられる事に慣れてしまっていたゴウミは自分の過去を辿ったことにより、自分の過ちに気付くことが出来た。

人は与えられるだけでは成長することは出来ないのだ。

そして、ゴウミはそのこと気付くことが出来、また1つ成長することが出来たのであった。

そして、ゴウミは決意する。


「よし! 明日は思い切って話してみよう! 自分がドMであることを言えばきっと分かってくれる!!」


そして、ゴウミは一大決心をして眠りに着くことになった。

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