第2話僕の楽園

日本 ある地域

1人の地味な男が褌一丁の状態でいた。

彼の名前は富田とんだ ふたろう

二郎は楽園に来ていた。


「アヘエエえええええええええええ!!」


と豚の様に鳴きながら嬉しそうに頬を赤く染めていた。

もう1人は女性で女王様の姿で二郎を鞭で引っ叩いていた。


「もっと泣け! 豚! 汚ねえ涎を垂らしながらみっともなく泣きな!」


と罵倒しながら女王様は二郎を思いっきり背中を叩き続ける。

二郎は嬉しそうな表情を浮かべながら


「もっとお願いします! 女王様!! もっとおおおお!! アヘエエ!」


と涎を垂らしながらねだる。

そう、彼はドMであった。

彼はブラック会社に勤める会社員だ。

それが彼にとって恵まれた職場でもあった。

そして、ほとんど深夜の終電を逃した後、再びこうして自分に苦痛を与えるというのが彼の日課であった。

女王様と呼ばれた女性は顔を高揚させながら


「豚が気安く呼んでんじゃないよ! 気持ち悪いんだよ! 豚!」


と罵倒しながら鞭を叩きつける。

二郎は


「アヘエエええ!! ごめんなしゃい!」


と涎を垂らし、嬉しそうにしながら謝罪をする。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


と高鳴り続ける心臓。


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


ドンドン早くなっていく。


二郎は

(アヘエエエエエ!! 良い!! 良すぎて!! うぐ!! いぎが!! いぎがああああ!! でぼ! ぎぼうじいいい!)


と過呼吸を起こし始める。

しかし、二郎は構わず女王様のプレイを受け続ける。

そして、


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

ピーーーーーーーーーーーーーー!!



バタン!!

心臓が止まった。

と二郎は白目を向いて泡を吹きながら急に倒れた。

女王様は先程の見下す表情から一変して真っ青になった。


「お!! お客様!! いかがなさいましたか!! お客様! お客様あああああああ!!」


と言って二朗を揺するが起き上がる様子はなかった。

すぐに救急車を呼び二朗の救命活動が行われたが、その甲斐も虚しく二朗は帰らぬ人となった。

富田 二朗エクスタシーのしすぎによる腹上死してしまった。

その後、二朗の葬式を行った。

二郎の会社の人達は死因理由を知って鼻で笑った。

二朗は最後まで嘲笑われながら死んで逝った。


そして、


こんにちは! 僕の名前はメリー5歳男の子です!

僕は日本で死んでしまった富田 二郎という名の会社員です!

つまりは異世界に来た転生者!

なぜか突然胸が痛くなりそのまま死んでしまったようです。

皮肉なことです、自分では知らない間に重い病にでも侵されていたのでしょうか?

おそらく助からなかったのは気づくのが遅かったのか、それとも臓器提供が出来ないままだったのかそれすら分からない、

しかし後悔はない! 後悔はしないように生きて来たからだ!

そして僕は今異世界で生まれ変わった、どうやら前世の記憶があるようだ、名前は両親がメリーと言う立派な名前をくれた。

この世界ではどうやら最低最悪の侮蔑を込められた名前らしい!

むしろご褒美だ!!

周りの人達からまるでゴミでも見るような目で見られていつも幸福感を味わっている。

僕の家は貧乏であったが、愛に満ち溢れていた。

2人の教育方針みたいで僕が家計のお金を稼いだり、家事を熟していた。

父さんはスポーツ万能で人望が高く、2人の女性を家に招待して愛を説く為に僕を邪魔と言って素晴らしい蹴球テクニックで僕を蹴り飛ばして別の部屋に追いやった。

つい、アへ顔になってしまうほどの素晴らしい蹴りであった!

そして、父とその女性達は愛を語る雄叫びのよる子守唄でいつも眠りに着いた。

母さんは厳しくも愛情があり教育熱心であった。

僕のために家庭の事やお金の管理も任せてくれた。

そして、母さんの為にいつもの酒を買う事を考えて満足する献立を立てることも大切にしてくれておりそれだけでも自分の成長が感じられた。

時折気に食わない酒であった場合は素晴らしい投球テクニックで愛の酒瓶を投げつけてくれた。

つい、アへ顔になってしまうほど素晴らしい投球であった!!

母さんの素晴らしい愛情で眠りに着くこともあった。

2人は僕の自慢の両親だ!

そんな両親から何不自由なく愛情を貰って僕はすくすくと育った。

そんなある日、母さんと父さんは僕の将来を考えてくれて、デンダー組織という就職先を僕に紹介してくれた。

父さんと母さんは笑顔で僕と見送ってくれた。

そして、僕は幼いながら2人に親孝行が出来、前払いのお金を持っていた。

そして、デンター組織は僕に新たな名前をくれた。


「良いかこの豚が! お前は今日から53番だ! 分かったら返事をしろ! 53番!」

「はい!!」


53番それが僕の名前となった。

木下秀吉も織田信長から豊臣秀吉の名前を貰った時の喜びが分かった気がする。

そこは素晴らしい業務環境が整っていた。


「この豚が! さっさと手を動かせ!! 53番!!」


ペシイイイイイイイイイイイイイイイイン!!


「あへええ!!」


常に愛する奴隷に鞭を打って仕事をさせてくれて、ご飯はいつも放り投げられたレーションのような物で僕らの健康も管理してくれていた。

だが人の死は平等に訪れるのだろう、このような恵まれた環境でも働いていた子供が良く死んでいたようだ。

もしかしたらこの異世界にもゆとり世代がいたのかもしれない。

時々奴隷が減っているようだ、

その時職場の女性は言った。


「安心しろ、変わりはいくらでもいる」


僕はその言葉を聞いて安心した。

僕自身を価値のない人間として認識して貰っている、僕は生産性のない人間として見下されている、ゴミの様な扱いをされている、僕はそれだけで生きているという感じがした。

そして、そんな素晴らしい生活を僕が送れることを神様に感謝した。


「神様、僕をこの世界に連れてきてくれて、ありがとうございます、ここは神様が下さった僕にとっての楽園のような場所を用意してくれて!! 本当に幸せです!」


と心の底から神様へ感謝をさ下がるぐらいであった。

こんな生活がいつまでも続けばいいのに……

そんな期待をしながら僕は過ごしていた。

だが、幸せはそう長くは続かなかった。

その悪魔は突如現れ僕のエデンを壊してしまった。

何の容赦も躊躇いもなくすべてを壊していってしまった。

全てを蹂躙して、かけらも残さず僕の宝物を砕いていった。

僕の平和な日常は一気に崩れ去った。


僕が寝ている間にはもう自分の楽園は無くなっていたのであった。


----------------------------------------------------------------------------------

目覚めた時メリーは思った


(僕が眠りについている間どうしてこんな……どうしてこんなに酷いことが出来るんだ! どうしてそんな残酷なことが出来るんだ! 理解できない! この悪魔2人は!)


メリーは心の底から怒っていた。

そうとも知らずに2人は部屋の外で


「いったいどうしてしまったんでしょうか……彼は」

「おそらく、あの少年は本当の幸せを知ることなく、この生活しか送ることが出来なかったのだろう、そのため、我々がそこを潰したことで自分の居場所がなくなったと感じているのかもしれないな……」

「洗脳…… でしょうか……」

「そうかもしれないな、糞! デンダー組織め!」


リブアイは怒りを露わにしながら壁を殴った。


「このことはハル姫様に報告した方が良いでしょうね……あの少年に真面な生活を与えれば彼の心の問題は解決するかもしれませんし!」

「そうだな、このことをまずはハル姫様に報告しよう!」


リブアイとベリダはそんなことを話していた。

そしてそのままハル姫の元へと向かった。

メリーは楽園を失った。

そして、メリーはまだ知らなかった

これからメリーにとって地獄の日々が始まることを

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る