第1話 プチエンジェル

ここ数日で、政府要人、財界の重鎮、有名芸能人などの死亡事件が多発。どれも他殺の疑いが濃く、被害者はさらに増えていった。

そんな中、犯人によってなのかは不明だが、誰かによって、とある顧客リストがネット上に公開され、話題を呼んだ。それは、児童売春組織のリストだったのだ。そしてそのリストに記載されている名前と、被害者の名前が一致していると噂され、一時ネットなどで話題騒然となった。


民衆は犯人の行いは正義か否かの論争に勤しんだ。

「子どもたちで弄んだ大人に対する、正義の鉄槌だ!」

「たとえ動機が正義でも、殺人は罪だ!私刑ではなく方の裁きに委ねるべきだ」

「上級国民に法律が通用すると思っているのか!」

「法治国家が法を無視したら終わりだろう」


しかし次第に、多くの人がその犯行の異常さに恐れをなしていった。というのも、被害者の遺体というのが、陰部を切断され、それを自らの肛門に入れられ、犯行の翌朝に警視庁の入口に晒されるという、正義とは言いづらく、かつ異常性と強い殺意が認められる残忍な行いだったからだ。遺体にはメモが貼り付けられていた。


「俺の女に手を出した男」

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