二章 魔術王と勇者
これは、まだ訪れぬ近い未来の話
これは未来の話。
この者との出会いにより、レヴェルトは最も必要であったことを覚える。
そう。
守るべき存在。
遠くない未来にて、王妃として迎える存在を。
──愛というものを
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別世界の王のDifferent world 金彩の戦火
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レヴェルト領、ジノラバ──
突然目を覚ます。
少しだけ早い目覚め。
余はなぜこんなに外の空気が吸いたいのか分からない。
とりあえず外へ行くことにする。
まだ日は上っておらず、視界の悪い中、余は王宮の庭へ向かう。
別にただの気まぐれだった。
ただ、外に行くのであれば水がきれいで、スイレンの花が咲き乱れる王宮裏の湖に行こうと思っただけだった。
「少し疲れた」
昨日はグランドロスという大男のもてなしをしていた。
余は神であり王である。
であるのにあの男……
かなりなれなれしい!!
だが……
不思議と憎めぬ男であるのも事実。
余も認めざるをえない。
あの者はまさしく王であったと。
それは兵たちの様子を見ればわかる。
あの者の兵は一騎一騎がかなりの猛者であり、どれもよく訓練されていた。余の兵をもってしても勝てることは無いであろう。
それだけなら余も奴を王として認めよう。
ふっ、まぁフロースは奴に余への不敬と言っていたがな。
そう思いながらレヴェルトは王宮裏の湖に向かう。
ここの最も美しい場所へ……
これは──
裏庭にて佇む一人の少女
この余が見惚れている。
光輝であり、王であり神である余が。
水辺にて、月明かりに照らされたスイレンの花を眺める美しき乙女を……
輝く桃色の髪と瞳。
美しく、整えられた容姿。
余はこれほど美しいものを見たことがない。
小さい湖に明かりが差し、一層女を輝かせる。
胸の高鳴り。
初めての感覚。
余は思う。
──この麗しき乙女に恋をしているのだと。
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