第五章

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 その後、ナナキたちは話し合い、サダさんはそのままマァヤの魔法で眠らせてユディ号の一室に監禁し、リズは仲間もいるのでレノ号で先に帰路についてもらうことにした。

 ただし、リズは「ナナキ達の続報次第で身の振り方を考えたい」ということで、ユディ号の乗員たちも含めてそれに合意した。リズも艦長として、クルーたちに慕われているのがよくわかる。

 一応、ナナキがティリィに残しておいた今までのサダさんとの会話や映像は、リズにも共有しておいた。

 ショーゴは引き続きナナキたちと一緒に行くことになった。その理由は、

「自分はサダバナイの側にいたが、別に何かしたわけではない。それと、自分にはジョーダルについての情報がある。アジャーノにつけばわかる。」

 とのこと。変に疑うわけでも真に受けるわけでもないが、とりあえず、といったところだ。


 アジャーノにはすぐに着いた。ナナキがドラゴンに変身し、飛空艇ごと魔法磁気層ギリギリを飛んでほぼ一直線に進んだからだ。

 ナナキは目的地目前で人間体になって飛空艇に戻り、そのままアジャーノに着港した。

 アジャーノに着いたのは夜遅くだった。

 ナナキたちはそのまま飛空艇で一晩明かして明朝アジャーノに降りるつもりだったが、ショーゴに「仲間が近くに来てるので会って欲しい」と頼まれた。

「仲間ってのはサダバナイの仲間か。」

 グランがショーゴに凄む。

「いや、そうではない。元々私はサダバナイの側ではない。都合がいいからあちらにいただけだ。かと言って君らの味方をしなかったのにも理由がある。とにかく害を加えるつもりはない。」

「そんなことを言って、騙そうとしてるんじゃないだろうな?もし少しでも変な真似したら、一口でその面の皮引き剥がしてやるッ!」

 グランが牙をむいて唸り、ショーゴを脅す。

「私の仲間も何もできないよう、一人で来てもらった。とにかく、まずは事情を聞いて欲しい。」

「まぁ、とにかく聞くだけ聞いてみよう。」

 ナナキは疲れのせいか少しクラクラしていたが、そこまで言うならということで、グランと共にショーゴを連れてハッチを降りる。

「お、ショーゴ。待ってたぞ。」

 そこには、猫耳サイバーガールが立っていた。急な濃いキャラの登場で、ナナキは更に頭痛が増した気がした。

「ん?こいつか。私の体を勝手に使ってるのは。」

 猫耳ガールが言う。

「んだ、このガキ。」

 グランが負けじと突っかかる。

「ガキではない。私はジョーダル・ヴィオトークだ。」

「………はぁ?」

 ナナキとグランが同時に眉間にシワを寄せて猫耳ガールを見る。

「…正確には、ジョーダルの人格を模倣したAIだ。」

 ショーゴが訂正した。

「………はぁぁ??」

「そういうことだ。つまり我々は本物のジョーダルの側の人間…私はAIだが。それでニセジョーダル…つまり君についていろいろ調べていた。」

「ニセモンはテメーだろ!!」

 グランがたまらずツッコむ。

「…こうなるから別の人に迎えに来て欲しかったんだ……。」

 ショーゴがボソッとつぶやく。

「とにかく、詳しいことは明日話そう。今度はちゃんと迎えに来る。ナナキくん、君も自分の正体を知りたいだろう?それでは、本日は先に失礼する。」

「あ、待ってください。」

 ナナキは去ろうとする猫耳ジョーダンを引き止める。

「なんだ?ニセモノくん。」

「あの、あなた何で猫耳少女なんですか?」

「……君は何にでもなれると言われたら、そのままの自分の姿を選ぶかい?」

 ………やはりジョーダンは変態だった。

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