第2幕後半

▼コリンダの原

 バンドメンバーとの回想を挟みながら、険しい道を登っていくプライ。

シンジ「えっ、バンドをやめる!?」

ダイゴ「そうか、元の姿に戻るのか。」

キョウスケ「いいってことよ。俺たちの音楽は世界に通用することが分かったんだ。それだけで十分さ。」

ダイゴ「はみ出し者の俺たちの話を聞いてくれたのはアンタだけだった。俺たちを救ってくれたアンタは、本物の神さまだったよ。」

シンジ「マジ、サンキューな!」

 回想から戻る。コリンダの原で最初に来た時に戦った魔物と対峙しているプライ。

プライ「またこの魔物か...。この体では手に余るな...。」

 防戦一方のプライ。攻撃を受ける寸前、アルド、メリナ、チルリルが加勢する。

プライ「み、皆、何故ここに!?」

メリナ「あなたが思い詰めた様子でコリンダの原に向かったと聞いたから、追ってきたのよ。」

チルリル「言ってくれれば、この程度のピクニックくらい付き合ってあげたのだわ。」

魔物「グオオォォ!!」

アルド「話はそこまでだ。いくぞ!」

 バトル。勝利後。ゆっくりフェードイン。女神と魔神がいる。そこにプライ達が来る。

女神「来ましたか、プライ。イケメンの姿はもういいのですか?」

プライ「はい。元に戻る試練を受けに参りました。」

魔神「その身勝手さ、神を冒涜する行為に等しい。試練は生やさしいものではないぞ。それでも良いのだな?」

プライ「はい、二言はありません。」

魔神「いいだろう。試練は二つ行われる。二つ目は私を倒すことだ。しかし、その前に貴様に相応しい第一の試練を与えてやろう!」

 魔神から禍々しいオーラが立ち昇る。

魔神「後悔するがいい!これが第一の試練だ!」

プライ「ぬ、ぬわーー!」

 光に包まれてチャプター終了。


▼コリンダの原

 光に包まれたところから。

プライ「ぬわーー!」

 光が収まると、プライの姿が戻っている。

プライ「む?この体を漲る充足感。もしかして元に戻ったのでは。」

女神「ええ、元に戻っていますよ。」

プライ「なんと!やりましたぞ、メリナ殿、チルリル殿!」

メリナ「きゅ?」

チルリル「もきゅーん?」

プライ「......メリナ殿?チルリル殿?」

 うずくまっていたヴァルヲ達が起き上がる。

ヴァルヲ「くっ、一体何が起こったんだ...?」

モケ「た、大変なのだわ!みんなおっきくなってしまったのだわ!」

ノア「...聞き間違いであって欲しいのだけど。いま、モケが喋ったのかしら?」

ヴァルヲ「...」

モケ「...」

ノア「...」

アルド「にゃーん。」

チルリル「もきゅん!」

 一拍置いて。

ヴァルヲ「うわあああ!俺とヴァルヲが入れ替わっているのか!?」

モケ「チルリルがモケなのだわ!モケがチルリルなのだわ!」

 メリナ、しゃがんで拾い食いを始める。

ノア「あっ、ノア!ダメよ、拾い食いをしちゃ!」

 メリナ倒れる。

ノア「ノアーーー!!」

プライ「こ、これは一体...!?」

魔神「大切な友人達の魂は預かった。試練を乗り越えられなければ、彼らはずっと小動物として生きていくことになるだろう。」

プライ「そんな!彼らは無関係ですぞ!」

魔神「くくく。だからこそ試練なのだ。お前がイケメンの姿にすがりついてきた問題に本気で立ち向かうがいい。」

 一拍置いて。

魔神「第一の試練を言い渡す。三日後の日没までに、お前を心から信用する女性を100人連れてこい。姿が変わる前からの知り合いは不可!歳の差は5歳前後までとする!」

ヴァルヲ「な、なんだってーーー!」

モケ「そんなの無理なのだわ!」

魔神「くくく。お前らも友なら、奴が戻ってくることを信じて待つことだな。」

 プライ、ふわふわと宙に浮く。そして飛ばされる。

魔神「さあ行け!神の与えた容姿に歯向かう愚か者よ!」

プライ「ぬわーーー!!」

ノア「プライーーー!!」


▼アクトゥール

 目を覚ましたプライ。

プライ「ここは...?そうだ、三人をお助けせねば!」

 ここで一旦操作可能に。マップジャンプは不可。女性に話しかけると暗転して時間経過。逃げる女性。それを追いかけるプライ。

プライ「待ってくだされ!もう少しだけ私の話を...!」

女性「いーやーー!」

 逃げ切られて、諦めるプライ。

プライ「どうして私の話を聞いてくれないのだ...。そんなにこの顔が怖いのか...!」

 カットバック。冒頭でメリナが忠告していたシーン。

メリナ「プライ、あなたはたださえ顔が怖いのだから、せめて穏やかな物腰で相手と接しなさい。その顔で大声を出されたり、暑苦しく迫られたら相手がどう思うかをよく考えることね。」

 カットバック戻る。

プライ「...そうか。メリナ殿は、呪いなどなくても立ち向かうことができると..。」

 いつも説法を聞きに来ていた女性来る。

女性「あれ、プライ様?」

プライ「あなたは...、いつも説法を前の席で聞きに来てくれていた御仁...。」

女性「イメチェンはもうやめちゃったんですね。」

プライ「それが...。」

 暗転して時間経過。

女性「そうだったんですか...。プライ様!私でよければ一緒に行きますよ!友達にも声を掛けてみます!私も協力するので、やるだけやってみましょう!」

プライ「なんと...!しかし、今の私の姿や声でも良いのでしょうか...。実はあなたが立ち話をしているのを聞いてしまい...。」

 カットバック。

女性「もー、説法なんて全然頭に入らないって感じ。あの声を聞いてるだけで幸せなの。」

 カットバック戻る。

女性「聞かれちゃってたんだ。恥ずかしいな...。プライ様目当てで通っていたのは本当です。でも、プライ様が真剣に教えを説いているのを聞いているうちに、私も段々興味が湧いてきて...。ほら、見て下さい。経典も大分読んだんですよ。」

 経典を渡される。カットバック。

女性「プライ様!どうか私の経典にサインを下さい!そうして貰えればもっと神様のことが分かる気がするんです!」

 カットバック戻る。

プライ「これはあのときの...。確かに読み込まれているようですね。」

女性「はい!...前の顔と声は素敵でしたけど、別に今の顔や声が悪いということはないと思いますよ。さあ、元気を出してください!時間がありませんよ!」

プライ「ありがとうございます。...不思議なものだ。先程まで目の前が真っ暗だったのに、今なら何でもできる気がする。」

 プライと女性がティエレン湖道を走る。回想。

眷属「ええっ、そんな大変なことになってるの!オイラも手伝うよ!人間の女の子にも、少しは知り合いがいるんだ!」

 プライと女性と眷属と女性数名がラトルを走る。回想。

ダイゴ「そんな大変なことになっているのか。」

シンジ「まかせてよ。超特急で知り合いの子に声掛けてくるから!」

キョウスケ「うーーっし、ダチのピンチは、俺たちのピンチ。いっちょやってやるか!」

ダイゴ&シンジ&キョウスケ「俺たちーー!ダイナソーズ!!」

 バンド仲間と女性大勢が加わり、コリンダの原を走る。回想。

信者「プライ殿!道中は危険と聞きます!」

信者「彼らの護衛は我らにお任せを!」

信者「いまこそ鍛錬の成果を神に見せる時!」

 ゆっくりフェードアウト。

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