微笑み33

あれからスライムの部屋を移動して、別の部屋へ着きました。その部屋はダンジョン内ではあったのですが地面は学校のグランドのような砂で固めてあり、広かった。


「変わった部屋に着いたな?」

「ええ、ダンジョンとは思えないですわね?」

「でも大部屋ではあるが壁はダンジョン内と思わせるな?天井も広い!」


すると侍女のAさんがみんなの前に立ち口を開きました。


「さて、皆様ここまでお疲れ様でした!これより第二審査に入ります!」



ゴクリッ!


誰かが喉を鳴らした。ここまで高レベルの魔物を倒しながら来て、ようやく二次審査である。いったいどんな無理難題を吹っ掛けられるのやら……


「第2試験は─」





「シオンお嬢様!コーディネート大会を実施致します!」


ドンドンパフパフーーーーー!!!!!!


イェーーーーイ!!!!!


何処からか大量の侍女さん達が現れ、あっという間にグランドに特設ステージを作り上げました。

??(゜Д゜≡゜Д゜)何処から??


「「「why?」」」


一同は唖然となった。理解が追い付かないようだ。


「何を呆けているのですか?私達が………ゴホンッ!あなた達が待っていたイベントですよ?」


今、侍女さん達がって言いそうにならなかった!?


「何か聞き間違えかしら?コーディネート大会ってなに?」


「これは!シオンお嬢様を1番可愛らしく!美しく!そして可憐に輝かせる事が出来た者が優勝となります!」


侍女Aさんは芝居掛かった口調と手振りでスポットライトが当たったかのように饒舌に語り始めました。そしてその後ろには大量の侍女さん達も頷く始末です!


キラキラッ!


いち早く立ち直って目を輝かせたユーリが拳を握ってやる気になった。


「これよ!バラエティにはヤッパリこれよね!」


バラエティってなんだよー!?


「ユーリ!落ち着いて!?それより、お兄様、大丈夫ですか?」


すでに顔を真っ赤にして想像しているレオンに心配そうに尋ねる。


「だ、大丈夫だ。色々な姿のシオンを想像したら……な?」


純情なレオンでした。


「さぁ!王都中からかき集めたドレスや軽装の洋服、帽子にスカーフ、靴など好きなようにシオンお嬢様を着せ替え人形……ゴホンッ!コーディネートしなさい!若人よ!」


侍女Aさんよ?格好いい風に言っても良く無いからね?私は着ないよ?


「お嬢様!!!」


「はいっ!」


余りの侍女Aさんの気迫に条件反射で返事をしてしまったシオン。


「貴女はいつも軽装ばかりでドレスなんて滅多に着ないのですから、今回は大人しくコーディネートされなさい!命令です!!!」


「はいっ!!!」


んっ?侍女に命令される令嬢って何だろうか?

ちょっと!後ろで色々な洋服を持ってジリジリ近付いてくる君達!お、落ち着きなさいな!!!


「ふむ、女性をエスコートするには美的センスが必要だ。理にかなっているな」

「ふっ、確かに女性を輝かせるのは男性の務め。意外な審査でびっくりしたがこれは負けん!」


クロウやアーレストがやる気になったみたい。特にアーレスト様は女性の様に綺麗な美男子なのと、言い寄られた女性を無下に扱わず、色々な女性にプレゼントなども適度に贈るので、1番の強者と言えるかも知れない。クロウ様も意外に王子の立場から社交界に良く出て女性をエスコートしているので、その目は確かだろう。


「さぁ!皆様!衣類を見てコーディネートして下さいませ!!!貴方達の美的センスが測られます!」


何処までも1番のやる気に満ちた侍女Aさんに会場は盛り上がります!んっ?会場???

いつの間にか特設ステージの前には多くの椅子まで並べてありました。


えっ?誰か来るの!?


………まさかね?


侍女さん達の椅子だよね?


そこまで考えてシオンは考えを放棄して皆の方を見守るのでした。


「そうそう、忘れていました。今回の審査ではシオンお嬢様はどんな【衣類】も【着なければならない】のでよ~~~く考えて選んで下さいね♪」


シオンは意味を理解が出来なく首を傾げた。しかし、その意図にいち早く気付いたユーリは鼻血を出したのだった。






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微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~ naturalsoft @naturalsoft

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