微笑み32
ガッキーン!ガガキーン!!!!
激しく金属のぶつかり合う音が響いている。
「魔物はたいして強く無いんじゃなかったのか!?」
レオンは悪態を付く!今、戦っているのはオーガだった。大きな野太刀を持っている。
ギッン!ガッギンー!
「レオン!そのまま堪えてくれ!」
ダタタタッ!横を走りながらオーガの後ろに周り込むと、クロウを背後から斬りかかった!
ズバッ!!!
グオォォォォオオオ!!!!
オーガは断末魔叫び声を上げ、魔石になって消えた。
「「ハァハァ!!!!」」
レオンとクロウは方で息をしながらその場でうずくまった。
後方に居たセーラとユーリも肩で息をしていた。支援魔法をかけ続け、回復魔法も絶えさず掛けていた為だ。ここまでで戦った魔物はオーガだけでは無い。次々に襲ってくる魔物をすでに20体は倒している。
シオンだけは、指示通りにみんなが大怪我を負わないように然り気無く援護をしていたので、たいして疲れて無かった。
「……皆さんお疲れ様」
「ハァハァ……シオン嬢、ここの魔物はこんなに強いのか?」
「これでもレベルを下げている。いつもなら最初からドラゴンが襲ってくる」
!?
「マジかー!」
「シオン嬢が規格外な訳がわかったよ………」
「シオン様凄すぎ……」
一同はため息を付くのでした。そして、少し休憩をして先に進みました!すると、疲れのためか罠の注意が散漫になり、前方を歩いていたレオンが罠掛かりました!
「うわっ!?」
レオンの踏んだ床が沈んだと思ったら、落とし穴が開き、全員下へ落ちていくのでした。
「でしたじゃなーーーい!」
「死ぬ!死んじゃう!」
キャーーーーーーー!!!!!!!!
ポフッ………!!!
「あれ?」
「クッションが置いてあったのか………」
「さ、流石に公爵様も私達を殺す気はないの………かな?」
ぐにょぐにょ~
「えっ!?動いた!?」
「これ生きてる?いや!スライムだ!!!?」
ぐにょぐにょ~ぐにょぐにょ~
「きゃっ!引き摺り込まれる!」
「あんっ♪って、どこ触っているのよ!」
「剣が効かない!」
「魔法で!いや、みんなを巻き込んでしまうか!?」
いち早くスライムのクッションから立ち退いて、自由に動ける者もいた。それはセーラとレオンだった。
「お兄様!氷の魔力を付加します!それで斬ればスライムだけ斬れるはずです!」
「よし、頼む!」
兄弟のコンビネーションで、素早く付加をしレオンがスライムを切り裂いた!
斬った所は氷ってボロボロと崩れていった。
ちなみに、完璧チートシオンは頭からスライムに取り込まれてじたばたしていました。
それを見た皆さんは暖かい気持ちになり、頑張ろうという意志が強くなるのでした。
「大丈夫か!みんな!?」
「ええ、何とか……」
「けほけほ!助かった」
「てかっ、レオンのせいじゃん!」
「すまなかった!」
スライムがいなくなった後、地下に落とされた事により、ダンジョン攻略の近道になったのは唯一の救いでした。すると侍女のAさんが何処からか現れました。
「皆様、お疲れ様でした。一次審査は終了です。次に第二審査に入ります」
「いったいどこから現れた!?」
「一次審査終了ですか!」
「次はどんな審査なのかしら………?」
Aさんは微笑みながら淡々と語りました。
「次の審査は【簡単】なものなのでご安心下さい。でも、このスライムの落とし穴に引っ掛かるとは思っていませんでした」
(お嬢様の貴重なドジっ子シーンをありがとうございます!この映像は屋敷の使用人達で堪能させて頂きます♪)
こうして表情とは裏腹に、内心では全く違う事を考えているのでした。ってか!この屋敷の使用人達は良い趣味してますよね!?と、書いてる作者自身が驚いているこの頃デス。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます