第13章 宇宙と生命

1 この大いなる創造の働きによって、現在の宇宙が生まれました。それがどのようにして生まれたのかはともかく、現在の科学では約138億年前のことであると言われています。

2 それからおよそ4億年後に星が生まれ、やがて銀河を形成していきました。

3 数多くある銀河のうちの天の川銀河(銀河系)において、およそ46億年前に太陽が生まれ、そして、私たちの星である地球が誕生しました。

4 地球ははじめ熱いマグマに覆われた火の星であったといいます。やがて大地の温度が下がることで水蒸気が冷えて雨となって降り注ぎ、海ができたといいます。

5 その海の中から生命が誕生したと言われており、それは37億年ともいわれる決して短くない歴史の中で多様化してきました。その間には、二度の全球凍結や五度の大量絶滅といった過酷な試練があったようです。

6 アミノ酸が原核生物に飛躍したことから始まるというこの多様化の歴史は、繁栄と絶滅を繰り返しながら、真核生物、多細胞生物、菌類、植物、動物という段階を経て、人間の誕生に到りました。

7 このように、私たちが誕生するまでに138億年の歳月と様々なプロセスが必要だったのです。

8 これはあくまでも人間から見た生命の歴史であって、人間を歴史の終着点、生命の進化の頂点であると言いたいのではありません。

9 進化はかならずしも進歩ではありません。生命の多様化は望ましい目的に向かい成就していく進歩ではありません。歴史的過程の結果に過ぎません。

10 進化と進歩が混同される時、存在の平等は忘却されます。なぜならば、目的への距離によって価値づけされてしまうからです。実際には、生命の多様化は創造活動の結果であって、それゆえに、すべては平等に祝福されています。

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