第2章 汚れなき御子

1 私たちのうちに復活する宇宙の精神は、親なる神の御心が子に届き、子をして子たらしめる働きをする霊です。霊とは、私たちのうちに働きながらも、私たち自身に由来しない働きです。この霊を、その純粋さのゆえに、「汚(けが)れなき御子」と讃えます。

2 「汚れなき御子」の「汚れなき」とは、すなわち、その純粋さとは、偽りがなく、疑いがないということです。すなわち、神の心を純粋に信じると言うことです。

3 それは同時に、あらゆる恐れや罪から解放された「清々しさ」も意味しています。すなわち、すべてを神に委ねることで得られる自由と平安です。

4 では、「汚れなき御子」が私たちの内に復活するとどうなるのでしょうか。

5 その手掛かりは、「御子」の言葉と業(わざ)を通して知ることができます。

6 「御子」は、あらゆる自我の誘惑から解放されていました。すなわち、所有・承認・支配への欲求から解放されており、つねに自由と平安のうちに在りました。

7 また、この自由と平安を独占することなく、抵抗や迫害という困難が待ち受けていることが分かっているにもかかわらず、人々と分かち合おうと願いました。

8 そして、裁かれた人々、虐げられた人々とともにあって、受け容れ、慰め、癒しました。

9 それがいかに危ういことか分かっていても、決して権力者に怯えることも阿ることもなく、正しく見聞きし、正しく語りました。

10 それは、人々が自由に生きられる世界、すなわち、神の国の顕われのための働きでもありました。

11 これらはすべて復活した「汚れなき御子」の働きであり、これらの働きを通して「汚れなき御子」の働きがいかなるものかを知ることができるのです。

12 このように、「汚れなき御子」が復活すると、すべてに対して平等であり、恐れることがなく、常に平安であり、慈しみ深く、自分勝手ではなく、自ら選んだ務めに忠実で、智慧があり、高ぶらず、頑(かたく)なでなく、寛大になります。

13 これこそが何者にも脅かされない真の自由です。「汚れなき御子」の働きこそが真の自由であるのです。

14 私たちは、この「汚れなき御子」を「御子」と同じく私たちの内に復活させ、その同胞となることで、このような真の自由を得るのです。

15 それゆえに、この道は「復活への道」です。すなわち、私たちが神の子として復活するための道です。

16 私たちは、この道によって「汚れなき御子」を迎えるために、まず存在の実相についての知解を通して、宇宙の精神、すなわち、一切の御親なる神、「万事あるがままの神」の御心を知らなければなりません。

17 なぜならば、神の御心が存在の実相の人格的表現である以上、その根拠は存在の実相にあるからです。

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