「題名 未定」

弓月

第1話 出発

 今日は雨で星が見えない。まあ、かと言って毎夜毎夜見ている訳でもなくそれに北極星の位置まで覚えてないと来たもんだ。現在、気温は約二度しかも体感はマイナス五度くらいかと思うほど。口が勝手に震えてカチカチと音を鳴らす。凍えそうだ。

 なんでこんなとこにいるのだろう。時折屋根から落ちる雫が菓子の空き箱を子気味いい音を鳴らす。

 自室に帰ってきた。隣では同室のやつがグースかピースか寝ている。まあ、深夜四時だ普通この時間は寝てる人が多いだろうな。けどなぜか俺はまったくもって眠くない。羊を一匹…二匹…と、数えてみても眠れない。今日は昼寝はしてないし明日は少しでも課題をやるつもりだったんだがさて、どうしたものか一向に眠る気になれない。

さて、どうしよう。

外に出てみることにした。寒いので年玉でかったワークマンのウィンドブレーカーを着込むことにしよう。下はかれこれ一年以上は着ている色の抜けたジーパン。合格祝いで買ってもらった「GERRY」の靴を履き、マウンテンバイクに跨る。

さて、どこに行こうか。


 港まで来た。寮からここは近く、家に帰るときもここから帰る。毎週金曜はクレープ屋がここに来る平日はさぞ大盛況だろう。まあ、現在信号もちかちかと点滅しているような時間帯なのであるが。

にしても寒い。朝起きた時も布団が放してくれず結局12時まで寝過ごしてしまった時よりも寒いのではないだろうか。

・・・帰ろ。

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「題名 未定」 弓月 @kurisupu1026

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