第8話
カケル君の話をまとめるとこうだ。
あれから必死に勉強して学年1位になって告白したがまたフラれたらしい。
ただ、友達にはなってくれるとのことだった。それで、とりあえず彼氏にプレゼントを渡すために1ヶ月後に買い物に行くことになったとのこと。
「よかったですね」
けど、彼氏のための買い物に付き合うだけかー。
「はい!」
友達以上になるかなー。
「よし!諦めないぞー!」
諦めたほうが身のためだぞー。
「頑張ってださいね」
とりあえずは応援するよ。
「ありがとうございます!そこでなんですけど、またご相談してもいいですか?」
もう占いというよりも恋愛相談所だな。
「なんでしょうか?」
「1ヶ月で5キロ痩せたいんです!少しでもかっこよくなりたいんです!」
「1ヶ月でですか」
「厳しいですかね?」
「かなり厳しいかと思われます。私もダイエットをしたことをありますが、私の実体験では3ヶ月で5キロ痩せれれば良いほうかと」
会社を辞めてから時間があり余っていたので、本格的にダイエットをしたのだ。
そこである程度は痩せることができたが、1ヶ月で5キロの減量は難しいと思う。
「そうなんっすね。ちなみにお兄さんはどれくらい痩せたんですか?」
「私は半年で10キロほど痩せましたね」
「すげえ!そのやり方教えてください!お願いします!」
「特別なことはしておりませんよ。毎日の摂取カロリーを消費カロリーより少なくしているだけです」
「運動をして食べる量を少なくしたってことですか?」
「そうですね。運動は胸筋などの大きい筋肉を鍛えて、基礎代謝を上げるようにしました。あと、食事は脂質を抑えてタンパク質を多く摂取するようにしていました」
「シシツって油のことですか?」
「まあ、簡単に言うとそんな感じですね。なので、揚げ物やお菓子を抑えて鶏胸肉や納豆とかをよく食べてましたね」
「きっつ。けど、それでお兄さんは成功したんですもんね!早速今日からやってみます!」
「是非試してみてください。応援してます」
「ありがとうございます!絶対彼女を振り向かせてみせます!あと・・・」
ん?
「あと?」
「昔、俺の体型で馬鹿にしてきたヤツを見返してやります!」
カケル君が若干暗い顔になったが、真っ直ぐこちらを向いてそう言った。
少し自分の胸が熱くなるのを感じた。
かっこいいな。なんか本当に応援したくなってきた。
「そうですね。見返してやりましょう!」
カケル君は真っ直ぐで魅力的な人なんだろう。
本当はもう帰ってもらうつもりだったが、もう少し自分がやっていたダイエット方法の中身を教えておいた。
その後、いつものように「諦めないぞー」と言いながら帰っていった。
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