第5話 レベルアップ

 昨日ベッドに入ったのは午後9時。それなのに今日起きたのは午前11時。

 疲れていたとはいえ、寝過ぎじゃね?こんなものかな?

 でも俺は起きてから、ほんの少しの些細な変化に気づいていた。それは身体が昨日より軽かったということだ。

 初めは疲れが取れただけだと思っていた。だけど、どうやら起きてから数時間経っているのにも関わらず、身体が未だに軽かった。


 少し妙だと思い身体のいろんなところを調べたが問題はなかった。

 両親に回復魔法でも使ったのかと聞いてみても使っていないと答えていた。


 なるほど。全く分からん。そう思いながら暇だしステータスでも見ようと開けたところ、

 

 ステータス lv.3 ローラン 2up⤴︎

体力     12+なし 3up⤴︎

持久力    13+E 3up⤴︎

敏捷     10+なし 1up⤴︎

耐久     8+なし

   魔力     36+C 9up⤴︎

状態耐性   54+C 4up⤴︎

知能     122+C 22up⤴︎

スキル「闘争S」「隠密A」「習得速度上昇E」

「中級魔法」「亜空間魔法E」「魔力操作E」


アクセサリー「レベルアップ速度上昇E」

 

スキルポイント       +20pt

 

なるほど。身体が軽かった原因はこれか。

前世でゲームやってる時もずっと思っていたけど、レベル差がある相手と戦っている時はどれだけ数レベル間で強さが違うのかとかわかるけど、自分が一つずつレベルアップしていく際には、あまりレベルアップしたって感じないよな。 

 どっちかというと、ゲームでは自身のレベルアップより武器チェンした方が強くなった感あったからそっちに意識が持って行かれたっていうのもあるんだろうけど。

 

 何はともあれ、レベルアップは超嬉しい。

どうやら対人か個人かで本当に経験値の有無が決まっているらしい。


 だけどいきなりlv.3か。

レベルアップに必要な経験値が少なかったのか?

 そんなことを気にしつつも、俺は両親に報告しに行った。


「え!ローラン、おまえレベルアップしたのか?」

「しかも2つも、、、」

反応を見る限りやっぱり可笑しかったみたいだ。でも俺の予想ではアクセサリーの効果のおかげだと思っているけれど。

 

「うん。それでこんな感じになったんだ。」

 俺は両親にステータスを見せた。その後の反応を見てはいたけど、やはり知能の高さは異常みたいだな、、、

 

「流石はうちの子ね。」

「本当にコイツは何者なんだ?スゲー優秀じゃねぇか!」

「ねぇ、あなた。この子に家庭教師をつけてみない?」

「そうだな。ローランならなんでも飲み込みそうだな。」

 そんな掃除機みたいな言い方はしないで欲しい。


「どうだ?ローラン。一足先に他の子より強くはなりたくないか?」

 そう問われた。たしかに強くはなりたい。だけど、目立つてしまうのは少しばかり気が引ける。 

 それにこの歳で家庭教師なんかつけても相手さんに「本当にこの子教えるの?」みたいな顔されんだろ?傷つくよ俺?

 

 両親には悪いけど、流石に俺は断った。目立つの嫌だし、目立つの嫌だし。

 残念そうな顔をされたがこればかりは仕方がない。嫌なものは嫌なんだから。

 

 念のためにカバーだけはしておくことにした。

「今はまだちょっと嫌だけど、もう少し大きくなったら良いよ。」

「本当に?いいの?」

「うん。」

やはり親としては子供を優秀にさせたいらしい。まぁ、分からんでもないが、出る釘は打たれるっていうしな。面倒ごとを起こさないためだ。わかってくれ。

 

「じゃあ、わかった。俺がローランに教えてやる。」

「お父さんが僕に?」

「仕事で忙しい時もあるが、空いてる時間は一緒に訓練してやる。」

「わぁ。本当!ありがとうお父さん。」

 あざと過ぎたか? 

 そう思っていたが、予想以上に会心の一撃が入ったらしい。

 

 「ん〜!もう、全てお父さんに任せなさい!!」

 とても嬉しそうだった。もう少しいったら口が裂けてしまいそうなくらい口角が上がっていた。ちょっと怖かった。

 

 それから平日は2時間、休日はグランとアレクスの両方と3時間ずつ魔法や剣、体づくりなどいろんな訓練を始めた。

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