第7話 ヒロインの品定めは厳しい

さて、想定外に王子に絡まれる事件はあったものの副産物として宰相候補とも言われるエリオット・ギタレスと知り合いになれた。


アニーが言うには止めてくれた騎士課の生徒はフランシス・アレンというらしい。

どちらも名門伯爵家と聞いたから、ターゲットにするには少しランクが高過ぎる。



「わあ」

「覚えてる?」

「もちろん!ありがとう、アニー」



何を覚えたのかといえば主要貴族たち。膝をつくよつな相手はジョシュア様だけだが、それ以外にもうっかりこちらから話しかけちゃダメな貴族たちをアニーが教えてくれた。


貴族図鑑、肖像画付きはめちゃくちゃ高級品な気がするが、アニーの部屋には何冊も置いてあった。庶民には馴染みがないもののカーター商会はかなり大きな商会らしい。


取扱いの物品を聞いたらほぼ高級品だった。庶民の私に縁がなくて当然だった。



「ネクタイとリボンが赤は騎士、青は文官ね」



もちろん私が着けているのも青。アニーも青だ。アニーが言うには、あとは髪のツヤやアクセサリーで見分けるらしい。

「よく分からないからアニーから離れないようにする」と感想を述べた。


ただ、貴族はなんとなく雰囲気でわかる。

異様にキラキラしい。その際たるのがジョシュア様だ。あそこまでキラキラする人はターゲットではないと覚えた。


バッチリだ。



「アニー!会えて嬉しいよ。あれ、そちらのお嬢さんは?」

「はあ、カレン、やつはローワン・ミラーだ。ミラー商会は食料品を主とする商会だからわかるな?」

「うん!」

「ローワンはそこの次男だ」

「凄いのね!」



顔はアリなんだけど、うーん、商会までいくと第二夫人の文化がないから却下ね。正妻だと社交やら、商会なら商談やらが舞い込んでくる未来が待っている。それは私の目標とズレる。


でも、アニーの友達なら私も仲良くしないと。アニーとはこれからも仲良くしたいものね!挨拶にちょっとだけ気合いを入れた。

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