高架見上げるS児童遊園

花和田 鬼小太

寂れたひみつきち

その小さな公園には、

L字型の不思議なオブジェが存在する。

入り口から右に目線をすと、それは寂しく佇んでいた。


その奥には、雑草の生えた砂場がある。砂場消毒などされてはいないであろう砂には、新しく掘ったであろう小さな穴が開いていた。


私は心身共に疲れるとこの場所に赴く。

誰もいない空間。


でもさっきスーツを着たサラリーマン風の男性が入ってきた。多分、スマホの位置情報機能を搭載したアプリゲームでもしているのだろう。


私がベンチからチラ見したので、そそくさと出て行ってしまった。ありがとう。


19時15分。6月初旬の夜は涼しくて気持ちい。これからじめじめした梅雨入り前の短き平和な時。


街灯のLEDの白色の強い光が、忘れられし公園を照らす。


そしてまた私は、甘い匂いを嗅ぎ付けた羽虫から逃げるように4つの銀色の車止めをすり抜ける。

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高架見上げるS児童遊園 花和田 鬼小太 @takashi00

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