第5話 めたもるふぉーぜ(仮)

注文しておいた品物が届いた。とりあえず全部並べてみる。


・ウイッグ(ロング)

・ネコ耳

・ネコ耳の間に乗っける小さい帽子

・鈴の付いた黒いチョーカー

・伊達メガネ

・黒いタイツ

・太ももに付ける白いレースの輪っか

・スカートに付けるチェーン


とにかく今着けれる物は全部身に着けてみた。


・・・わけわからなくなった。


これはまずい。女装どころか、普段から服とかに気を使ったことなどないの

だから当たり前だ。

ここはプロデューサーを立てよう。一人では無理な事が分かったし、

ジェネレーションギャップのある母親には頼みたくない。


近くに住んでいるイトコに頼もう。


そのイトコは母親の姉の子で、青井 麗奈という。

今年大学生になった。

俺より4歳上になる。

昔はよく家に遊びに来ていて、小さい頃は家の風呂によく一緒に入っていた。

いつ頃からか、あまり家に来なくなったので、こちらもあまり行かなかった。

それでも正月や法事などの時には会う。そんな感じだった。


それでも仲は良かったし、ついこないだまでJKだったセンスで、うまく

プロデュースしてくれるだろう。他校と比べて多過ぎる夏休みの宿題免除権が、

そう低くない確率で手に入るのだ。こんなこと頼むのはハズいが、

背に腹は代えられない。まさかこんなこと頼まれるなんて

夢にも思ってないだろうなあ。


「盛り過ぎ。翔吾の良いところがちっとも出てない」


目の前で変身してやったところ、いきなり辛口だった。

俺の良いところってどこ?強いて言うなら目ぐらいだけど。


「懐かし~。うちの中学でもやってたわ~」

・・・ソウナノ?

この辺の中学はレクで女装させる文化でもあるのか?

3つ上の兄貴からはそんな話は聞いたことがない。

当然親からも。言いたくない過去なのか?


「猫っぽくしたいの?まあ翔吾は顔がもともと猫みたいだからいいんじゃない」

「でもさっきのはダメ。なんでもかんでも足せばいいってもんじゃないよ」


ではどうしたら?


「それを今から考えようか。」

 (げへへ)


・・・だいじょうぶかな?この人。見た目は綺麗なんだけどな。

























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