07・PCキーボードとスマホフリックと慣れ
質問です。
あなたは小説の執筆に、PCキーボード入力、スマホのフリック入力のいずれを使っていますか?
きっと、ネット古参の方は断然PCキーボードと答え、若者はフリックこそ最善だと答えるのでしょう。
つまりおそらく、この問いは世代によって大きく答えが分かれるはずです。
そのように世代間でギャップができる原因としては、もちろん両技術の具体的な操作感等の違いもあるでしょう。客観的な差異といってもよい。
しかし、原因はもう一つあるのではないでしょうか。すなわち、「どちらに先に触れているか、どちらに慣れているか」といったものです。
若者は、おっさんは、と一括りにすべきではないのは知っていますが、それでも言わせてください。
若者はスマホのほうが身近で、日頃から頻繁にフリックを使い、学校によっては校内でも日常的に携えているのでしょう。つまり、「先に新しい技術から入っている」。PCに全く触れていないとまでは思いませんが、たぶん、フリック入力からデジタル技術を経験し、その「新しい技術」に慣れている。
一方、ネット古参、というよりPC古参組は、現時点で「古い技術に深く馴染んでいる」。それは同時に、ほとんどの古参勢にとって「新しい技術に切り替えるのには、多かれ少なかれ労力を要する」ともいえるはずです。
世代間の違い、特にPCキーボードとスマホフリックにおける溝というのは、こうして生まれたのではないでしょうか。
とはいえ、両者は違う技術である以上、どちらもできるようになるのが理想でしょうね。状況に応じて使い分けられれば、きっと全体の執筆効率も上がるはずです。
例えば。
PCを立ち上げて、キーボードで打つ。キーボードに馴染んでいる人は、打ち始めさえすればこちらのほうが速いのでしょう。
しかし欠点があります。立ち上げて執筆準備を終えるまでに、気力を失うことがままあるということです。
本当にこれはよくある。ソフトを起動すると途端に小説執筆のやる気を失う現象。これ、誰か科学者が研究してくれませんかね。
それはともかく。PCにはこの点をはじめとして、持ち歩きがあまりできない、コンセントを挿していないと電源が心もとない、など、主にスマホより大きいが故の欠点があります。
一方、スマホは持ち歩きが容易で、普段から起動状態なのでアプリの立ち上がりも速く、立ち上げまでに士気を失うおそれも少ない、という長所があります。
しかし、例えば達人同士だと、フリックよりPCキーボードのほうが速いという話を耳にしました。また、原稿ファイルのバックアップや、小説のアップロードをはじめとして、執筆以外の必要なことをするのには、ある程度はPCを併用しないとかえって不便なこともあるでしょう。
これらを克服するためには、やはりどちらも使えるようになっておく、というのが無難な答えだと思います。
スマホにキーボードを接続したり、逆にPCにフリック機器をつなぐこともできるとかできないとか、聞いたこともありますが、それでもどちらにも対応できるようになるのが良いようにみえます。
少なくとも私はそうするつもりです。
私もフリックはキーボードほど馴染んでいないので、どうにか速度を出せるようになっていきたいと考えつつも……この原稿はキーボードで打っています。
今までの理屈が台無しだ!
オチがついたところでこの話を閉じましょう。
次回をお楽しみに。
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