08・ブランドロイヤルティ的なものと宣伝方法

 今回の話は、固定ファン、顔なじみの方がある程度いらっしゃる作者さんに向けたものです。つまり現在の私には、私自身の常連さんを軽んじるわけではありませんが、まだ当てはまらない話となります。要するに自分にとっては皮算用。

 悔しいですね。刻苦勉励をします。


 それはともかく。

 皆さんにとって、自分の作品への集客は大きな関心事だと思います。

 そして例えばですが、ツイッターなど、大衆に広く呼び掛ける宣伝方法を使っている人も多いことでしょう。


 では質問ですが、その「大衆に広く呼び掛ける」手段を用いている理由はなんでしょうか。


 言うまでもない。ご新規さんを増やすためだ!

 新規開拓をするためだ!

 おそらくこう答えると思います。


 それ、本当に成果が挙がっていますか?


 私の経験則から言うに、例えばツイッターでの集客はごくわずかのようです。

 逆に質問しますが、ツイッターでの宣伝ツイートを見て、その作品を実際に読み、終わりまで読破した率は、読者としてのあなたの場合、高いですか?

 おそらく低いはずです。そして、読破に至った作品の作者さんは、人並み外れて――普通の作者では到底太刀打ちできないほどに――人を惹きつけるツイートを使っていたはずです。……もしくは個人的に知り合いであるとか、何か特段の事情があるとか。

 ともあれ、ツイッターというか、「大衆に広く」型で集客をするのは、大変に難しいことです。執筆の腕前とは別の何かが必要です。

 そのノウハウを身につけてやる?

 それも一つの方法ですが、そもそも戦略を転換するという手があります。


 冒頭で言ったように、もしあなたにそこそこ以上の数の常連読者さんがいる場合。

 ブログをするのはどうでしょうか。


 今更ブログ? 三周ぐらいは遅れているんじゃねえの?

 結果的に遅れているのは確かですが、あえてこれを選ぶ理由があります。


 例えばツイッターの場合、「大衆に広く」ですので、大半の、あなたの作品に興味を持ちえない層にも宣伝を打っていることになります。

 広範な割に効率が悪いのは、潜在的に宣伝が感覚にヒットしうる相手が、わずかであるからだと考えます。それはあなたの小説が下手だからではなく、そもそも娯楽とはそういうものなのでしょう。

 そもそもツイッターで期待するのは作品の掘り起こしではなく、面白ツイートなど、作品と関係のないものである、とも言えそうな気がします。


 そこで戦略の転換です。常連読者さん、つまりコアなファン――作者としてのあなたという「ブランド」を強く信頼している人に絞って発信する、というのはどうでしょうか。


 わざわざブログを見に来るお客さんというのは、現在は絞られてくると考えます。ツイッターをはじめとしたSNSが多機能で、大量送受信をできるため、そこを通さない接触というのは、むしろ面倒臭いものです。

 つまり、その面倒臭さを乗り越えてブログを見てくださるお客さんは、小説作者としてのあなたを強く信頼している人、「あなたが書く」作品を信頼している人でしょう。

 この人たちの心をより掴み、常に信頼を維持する。ついでにあくまで自由意思のもとでではありますが、じわじわと仲間を広げてもらう。

 こういう戦略のもとに宣伝を遂行するのが、少なくともツイッターよりは良い手なのではないかと考えます。

 ……もっとも、繰り返しになりますが、始める段階で常連読者さんがある程度いないと、結局やはり空振りになるとは思います。


 ちなみに。投稿サイトには簡易なブログがついている場合があります。カクヨムでいう近況ノートですね。

 ただ、前述の「常連に絞る」方針に適するのは、やはり外部のブログのほうだと思います。

 また、近況ノートでは書けることが若干限られること、外部ブログは近況ノートより高機能であり、多彩な記述ができること、といったことを考えても、この結論になるかと思います。


 というわけで、本日はここまで。

 これを履践するにまだコアなファンが足りない私は、悔しいです。血涙。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る