第3話 杞憂

 別れたあとも他に好きな人がいるという言葉が気になっていた。


 美夜子みよこはまだ自分のことに精一杯で、最近勇人ゆうとの目線の先に映っているあいの存在には気づいてないようだ。


 でも、気づいたらあたしたちのグループはいつも通り笑えるのかしらとかの杞憂きゆうにもとれるような考え方と


 勇人は美夜子ははたから見てもお似合いのカップルで二人の仲をとりもったあたしは悲しいやら誇らしいやら複雑な気持ちで二人を見守っていた。


 ところが最近、勇人の目線が同じグループのあいに変わった。グループを壊したくないから気づかないふりしてたあたしと勇人の顔ばかり見ていて気づいてないと思っていた美夜子で大丈夫だって思っていた。


 なのに、美夜子は気づいているし、愛も今の所は勇人に関心はないけど、気持を知ったら揺り動かれる?


 また、私たちの関係が動き初めて、誰かの気持ちがガラスのように粉々に割れて一生消えない傷をつくるのかも知れない。


 それは嫌だって、少女独自のわがままな感傷であたしは思うんだ。


 傷つくのなら擦れたあたしだけでいい。それが悲劇のヒロインになろうとしている私が主役な物語だから…。

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