第2話 序章


 貴女あなたに彼のことどう思うって聞かれた時、私の気持ちばれたのかと思った。


 本当のこと言えば良かったのに、

 「ただの友達だよ」って答えていた。


 貴女あなたは彼の心変わりに悩んでて、周りを見えていないけど、最近彼の目線の先には違う女性がいる。


 彼女もまた友達で、貴女は複雑かもしれないけど、彼女は彼に興味ないはずで大丈夫だよって親切に言ってあげれないのは、貴女も彼も私に、対して利用するわりに無関心だから。


 ほらね…。今も余計な一言を貴女は言うんだ。


 「良かった。彼、最近上の空で、他に好きな子ができたみたいなんだ。もしかしたら奈々じゃないかって思ったから…」って私からみたら優越感にもとれるような笑顔でさ。


 「そんなわけないでしょうが…」とわざと声のトーンを高くして答える。


 あたしは貴女の前から彼のことが大好きで、利用されているとしてもまだ好きなのと言えたらどんな顔をするんだろうと思った。


 明るい笑顔をあえて作っている今の貴女に酷だからって傷つかないように理性武論する。

   

 彼は誰にでも優しいけど、あたしの存在を目線の端に捕らえていないし、無関心であたしのことなんて何一つ興味持たない。だから、最近は彼の優しさが少し憎たらしいし、このカンがいいのか鈍いのかわからない貴女も少し憎かった。


 私の気持ちに気づいたのなら彼に貴女の気持をさぐるように頼まれていたあの頃に気づいてよ。


 そして、こんな時にも冷静で、誰にも同情できないあたし篠ノ井菜々しののいななの性格と意地っ張りで、無関心を辛いと言えない自分自身が嫌いだと思っていた。

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