第10話 ~Mside~ ⑤彼が私に気がある?


すごく頭がぐるぐるする。

恋人がいても男性と映画に行ってもいいものなのか?


いや、そもそも恋人といっても

相手は浮気してるっぽいし

ちょっと距離を置こうって

全然連絡なんか取り合ってないし

ほぼほぼ、もう別れているに等しいけど…。



とはいえ、こんなに『男性』として意識しているけど

彼からしたら


ホントにただの同僚として

いち友人として誘ってくれているのかもしれないし


ただ妹のように可愛がってくれているだけかもだし

そもそもチケットが余っていただけなのかもしれない。



いや、待てよ?

もしかすると、これって…

例の彼女の仕業なのでは?


私に任せといて!って言ってた、アレかも!!



ってことは、彼は無理矢理、仕方なく

っていうパターンもあるかもしれない!


そうだ!そうに違いない!




もう、こんなにひとりでパニックになって

あたふたしなくてもいいんじゃん!


ってか、ちょっと確認してみよう。

私は、休憩中、彼女を訪ねてみた。





ねぇねぇ、彼になにした?

もしかして、映画のチケットとか…



あ~~~~~~!!!誘われた?

ナイスじゃん!!

やっぱり気があるってことだよ!!


話しているそばから彼女が大きな声で喜ぶ。



え?どういうこと?



深く考えなくていいの。

誘われるってことはね、相手はあなたに気があるってことよ。

だから、いわゆるこれは、デートです!!

いつ行くの?

絶対に可愛くしていってね!!



そう言われて、私は真っ赤になった。


ちょっと待って!

なんかそんな風に考えたら、私心臓がもたない。

どんな態度で接していいのかもわからなくなっちゃう。

緊張しちゃうじゃん!



まぁまぁ!いつも通りでいいのよ。

ただただ、楽しんできて!!





彼が私に気がある?

ホントにそうなの?


私は?私はどうしたい?

彼とお付き合いしたい?



私はやっぱりズルいけど

彼がホントに私のことを好きなのか、言葉で伝えてくれないと動けない。

好きだって、付き合おうって言って欲しい。


相手から言われたい。私からは無理。

付き合ってる人がいるのに仲良くしてる時点で

ホントはアウトなのかもしれないけど

それでも、私からは言えない。


カタチ的に、相手に言われたから

っていう風なのだったら、大丈夫。

ひどいよね…。



でも、確証がないのに動くなんてできないよ。


だって彼が私に気があるなんて思えないもの。

お兄ちゃんのような感じなんだもの。

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