第5話 ~Hside~ ③どういうこと?


今僕は特別任務のためにチームを組んで、ある女性と仕事をしている。


なので、残業もその女性と一緒。

だから、いつものように彼女の相手ができない。



彼女が僕のところに来てくれたり

僕が彼女のところに様子を見に行ったり


そんな関係がとても心地よくて、残業も全然苦じゃなかったし

むしろ、そのために仕事を頑張っていた


といっても過言ではないくらい

その時間は僕にとって最高だったのだ。




いや、まぁ、彼女命名の『外面良男(そとづらよしお)』だから

いろいろな人に頼まれた仕事を断れず引き受けまくって


さらに、できるだけわかりやすくみんなで共有したいもんだから

次から誰でもできるように、説明資料や参考動画まで作っているから

そりゃいくらでも残業になるもんなんだけど(笑)(;^_^A




彼女も、一生懸命よくやってるよなぁ。

新人で若いのに、ほかの人たちにはないアイディア力と

それを実行し、実現させていく行動力。


なんかすっごく尊敬する。



僕は自らやりたいとかいうことではなく、

誰かのサポート役の方が向いているから

言われたことすべきことを淡々とこなすのみだけど…。



彼女は自分のしたいことをやっていて、

もちろん、それがダメな時もあるけど

それでも、チャレンジし続けていく

そういう精神的な強さにも憧れるものがある。




あ~…彼女でエネルギーをチャージしたい。



なかなかゆっくり会う時間がないけど、彼女は大丈夫かな。

泣いてないかな。困ってないかな。




めっちゃ彼女のことが気になるけど

今はこのプロジェクトを成功させなければならない。





そんな状態が1か月過ぎたころだった。

プロジェクトも少しづつ軌道に乗ってきて、

僕にもだいぶ余裕ができてきた頃、

なんか、楽しそうに笑う二人を見かけた。


彼女と僕のプロジェクトチームの女性だ。




あれ?あの二人、仲が良かったんだ。


ま、そうか。

あの女性は今年、別会社から引き抜かれたプロとはいえ

ここの会社では「新人」だからな。



新人同士、彼女としゃべる機会もあるのだろう。

いや、もしかすると彼女のことだから

ひとり浮いている女性に、優しく話しかけたに違いない。

彼女には周りをひとりにさせないそんな優しさがあるから。



まぁ、なんにせよ、二人が仲良くしているのを見るのも嬉しいものだな。


誤解されやすい彼女にとって僕以外に

若くて年も近い同性の友人ができるのはいいことだ。




なんてことを考えながら休憩していたら

急に、チームの女性から呼び出された。



なんだろう?


いきなり、ハイと手渡された。

それは、映画のチケットだった。


(。´・ω・)ん?どういうこと?

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