第4話 ~Mside~ ②勘違いしちゃうじゃん!
最近、恋人とうまくいっていないせいなのか、周りに目がいってしまう。
周りの男性の優しさについついホロッと甘えたくなってしまう。
特に、残業仲間の隣の部署の彼。めっちゃめちゃ優しい人。
どんな話をしても絶対に否定せずに、話聞いてくれて励ましてくれる。
時にはアドバイスもくれるんだけど、
それが押しつけでもなく上からでもなく、わかった!って聞きたくなるような感じ。
出来ない時はすぐに助けてくれるから、ついつい何でも相談しちゃう。
さらには、遅くまで残っていると、ご飯に誘ってくれて、
車で連れて行ってくれて、ご馳走してくれて、送り届けてくれる。
めちゃめちゃ優しい。
この前なんか、ちょっと喉が痛くて、声もちょっとかれ気味で…
でも、仕事でどうしても発表しなきゃいけなかったから、ちょっと我慢して頑張った。
そしたら、発表後、廊下ですれ違った時に、彼がパッとのど飴をくれた。
どうやら、調子が悪かったのがバレていたらしい。ホントに優しい気遣い屋さん。
彼の優しさは、職場の人まんべんなく、
いや、職場以外の人たちにもなのかもしれない。
いつもニコニコ穏やかで、どんな仕事の依頼も絶対に断ることなく
しかも、そつなくサクッと仕上げちゃう。
新しいネットワークを立ち上げたり、機器の操作とかもなんでも優しく教えてくれたり、
面倒見もよくて、わからない人のためにわかりやすく画像付きの説明書を作ってあげて、目の前でデモンストレーションをして教えてくれる。
ホントに尊敬すべきすごい人なのだ。
そんなすごい人が、こんな新人の私にまで優しくしてくれる。
愚痴まで聞いてくれて、ご飯まで付き合ってくれて、
どんだけ『仏』なんだ!?と思うけど
時々、「あれ?素の彼って、実は…?」って思う場面が時々あって…(笑)
会社の人について、毒を吐いたり、
他の人には絶対に見せない姿、私には時々、『いぢわる』だったりする。
だから私も負けじと、
『外面良男(そとづらよしお)』ってあだ名をつけてみた。( *´艸`)
職場なのに、こんなに喋りやすい先輩と絡めるなんて思っていなかったし、
こんなに仲良くなれるなんて思ってもみなかった。
私が自分らしい自分で居られる人。
どんな自分を見せても受け止めてくれる人。
私という生き物を楽しんでくれる人。
すっごくすっごくありがたい存在。
彼も私と一緒にいるのは楽しいみたいで、すっごくよく笑ってくれる。
喋り方もどんどん『雑』というか、フランクリーになってきて、
いつもの誰にでも親切丁寧なですます口調ではなく、
私のことも「お前な~!」なんて呼ぶから、ホントに『仲良し』みたいで嬉しくなる。
特別な存在みたいに勘違いしちゃう。
優しい彼の元にはたくさんの人が集まる。
私だけに優しいわけじゃない。
あくまでも職場の人間として、先輩として後輩である私にいろいろ教えてくれて
私が新人だから優しくしてくれているだけ。
いつも遅くまで残っている残業仲間として、ご飯に誘ってくれているだけ。
決してそれ以上でもそれ以下でもない。
恋愛スイッチなんて入れちゃダメだ。
これが、『異性』としての優しさだなんて、勘違いしちゃダメだ。
そんなに優しくされたら、ついつい甘えちゃうじゃん!
勘違いしちゃうじゃん!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます