第6話 ~Mside~ ③どうすればいいの?


最近彼は、新プロジェクトのことで忙しそうだ。


彼が、考えた企画だから、リーダーである彼中心で回ってはいるけれど

彼の専門外な部分を補うために、その道のプロが中途で引き抜かれてきた。


めっちゃできる女性だ。




新人2年目の私は、新しくやってきたその彼女に

いろいろと会社の中のことを教えることになった。



というのも、たまたま、休憩中に困っていた彼女に声をかけてから、

そんなことになり、


お局様ばっかりのこの会社では、珍しく同年代ということもあって

仲良くなり、日が経つうちに、コイバナまでするくらいに打ち解けあっていた。



だから、休憩所とかでバッタリ会えば、彼と彼女と3人で話をすることもあった。


けど、プロジェクトの話は、会社内部でもまだ機密事項だったから、

2人の会話を聞かないように、すぐに、自分の席にもどってしまっていた。



そんなわけで、就業時間後も、2人が仲良さそうに話しているところに

割り込んでいくなんてこともできず、いつも楽しみにしていた残業タイムも

そのあとの彼との食事も、なにもできなくなっていた。





仕方ない。

そう頭ではわかっていても、心の中は、ポッカリ穴が開いたような

すごく寂しい気持ちでいっぱいになっていた。



そして何より、2人の接近ぶりにモヤモヤする自分がいた。



いやいやいや、私、一応、彼氏いるじゃん!

いくら、うまくいってなくて、会ってなくても、まだ別れたわけじゃないし…。


いやいやいや、その前に、私と彼はそんな仲じゃ…。

ヤキモチ妬いていい間柄じゃないし(;´Д`)




でも、気になる。


彼の優しさはいつものこととしても

彼女の方に、そんな気はないのだろうか?


私はどうしても気になって彼女に確かめることにした。




彼女に言われた言葉は


え?あなたたち好き同士なんじゃないの?

ずっとそうだと思ってたけど。

私?私は残念ながら、対象外だわ。いい人だとは思うけど。


ってか、ちょっともっと早く言ってよ。

きゅんきゅんする~!楽しい~!!


よし!彼の気持ちを確認するために

いいことを思いついた!!

2人で映画に行っておいでよ!


ふふ(´艸`*)やばい、楽しい!!


ってことだった。




え?待って待って。

話が急展開すぎてついてけない。


私、どうすればいいの?



大丈夫!私に任せて!


彼女は、私にウィンクをして彼のもとに去っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る