間章

日記帳(1月22日)

 この4日間、私に出来ることを考えていた。ゴール地点は定まっている。あとは手段なんだけど、それが分からない。

 そもそもとしてお姫様が王子様を裏切るという物語が想像できない。しかも私の場合、王子様に非はなくて、お姫様に非があるタイプだ。まったくの伏線なしで、王子様を裏切ったのだから本当に始末が負えない。裏切り者のお姫様が物語を動かすには王子様が復讐の炎で燃え上がって、殺される悪役となることくらいしか思いつかない。

 けれど、そもそもとして私の王子様は復讐の炎に燃えないだろうし、現実に殺されることなんて彼に罪を負わせるしダメだ。疑似的に『殺される』だったら可能だろうけど……うーん、でもやっぱり私の知る彼はそういうことはしない気がする。だからこの案はなしだ。

 うー、どうしよ。何が出来るんだろ私に。あんな中途半端に物語を止めてしまった私に悪役以外の役割なんて…………いや、待てよ、悪役なら出来る、出来るじゃん!

 お姫様と王子様が登場する物語でおそらくは最も知名度が高く、かつ殺されもしないキャラクター、それは、それは、


 『魔女』!

 

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