第37話 第一段階目は終わった
「大胆不敵に〜〜〜〜〜」
霜端はみんなが知ってそうな定番の曲を歌っている。
今はカラオケボックスにて男子三女子一の状況に置かれていた。
この前に約束していたことを果たしているが俺はそんなことに集中できていない。
クリスマスが終わってから俺の中のなにかが変わった。
今までなかった罪悪感。御珠と彩貌さんに申し訳ないという謎の気持ちがあり気持ち悪い。
それと四条に怒りや殺してしまおうという殺意の悪魔が囁いてくる。
だが我慢して平然としておく。
気づかれてしまうと困るから。
だから早く終わってくれ。
しかし時間は変わらない。
体感は普段より長く感じる。
人は集中すれば時の流れを早く感じ、今みたいに早く終わってくれみたいなことは長く感じてしまうのは当たり前だ。
さっき俺の番だったが気持ち悪さから一番自信がある曲を歌ってしまった。
失態だ。だってみんなが知ってそうな曲を歌う予定だったのに。
また罪悪感が募っていく。
この罪悪感が生まれ始めたのはクリスマスの次の日の朝起きたときからだ。
そしてなにかがあるごとに罪悪感は溜まっていく。小さいことも。
俺が今までにしたことの罪悪感さえも。
「ちょっとお手洗い」
俺はそう言いそそくさにトイレに向かう。
気持ち悪い。
のどからなにかが出そうだ。
だが飲み込む。
あの時、俺はいつかこうなるとわかっていた。だからなんだ?
やっと第一段階目が終わったのになに罪悪感を覚えているんだ?
ふざけるなよ自分!?
俺は今までになにを知ったのか?思い出してみろ、そこからわかることなんてあるだろう。
そうだこんな罪悪感は感じておけばいいのだ。
これは俺を俺が超えるためにあるのだから。
そして四条への怒りや殺意はなぜなのか?それは霜端に話しけているから。嫉妬である。
霜端は蒼井の実の妹と知っているが異性的に好きと俺が勘違いをおこしてしまい、麗七人にしてしまった。
だがもう遅い。俺は引き返せないところに来ているのだ。
いや本当は俺は今からでも引き返せるのだ。だがプライドが邪魔をしてくる。
それだけで俺は引き返せないと思っているのだ。
さすがにこれ以上遅かったら疑問に思われてしまう。
そう思い戻ることにした。
「じゃあ、また、霜端ちゃん」
「ええ、では」
四条は霜端の返事に満足したのか満足気に帰路をたどっていく。
俺と蒼井、霜端は帰る方向が同じなために一緒に帰ることに自然となった。
暗い夜道に三人は黙って並んで帰っている。
俺からはなにも居心地の悪さは感じなかったが蒼井はなにか言いたそうにしている。
気になって無言の均衡を破る。
「蒼井なにか話していいぞ」
そういうと蒼井は言いたいなという気持ちに涯は気づいている。
霜端が隣にいる中で伝える。
「涯はなんであの時のお手洗いにいくまで気分悪そうにしていた?それとなんで怒っていたの?」
「「え?」」
俺はとぼけて「え?」と言うが霜端は本当なのかの「え?」だった。
さすがに答えないのはあとに響きそうなので答えておく。
「気持ち悪かってお手洗いの時に吐いたんだよ、あと俺怒ってた?」
「そうなんだ、さっきまで怒っていたよ」
やばい気づかれているな、話を変えないと。
「話変わるけど質問したいけどいい?」
「本当に話変わってるけどいいよ、霜端?」
「私もいいよ」
「ありがとう」
なんとか変えれた。
霜端に勘付かれる前でよかった。
「これはたとえ話だからな深く考える必要はないからな、では、たった一人病弱な子がいた。その子は大人になる前に病弱ではなくなった。そしてその子はなぜか無差別殺人や悪質なハッキングなどする犯罪者になってしまった。なぜ?」
「質問いい?」
「ああ」
霜端から聞かれる。
もちろんいいに決まっている。これではあまりにも少なすぎる。
「その子はなにかを手に入れようとしている?」
「はい」
「その子はどれほど病弱?」
「入院するほど」
「僕からしたらその子は自由になったからことを一回起こして止めれなくなったのかなと思っている」
「なるほど」
蒼井はすぐに返してくれる。
霜端は立ち止まり少し考えてまた質問する。
「その子にはもともとそういう系の才能があった?」
「いいえ、霜端深く考える必要はないと言ったはずだよ?」
「ああ、そうでした、私からすればその子は誰かに手伝っていると考えたわ」
「なるほど、ではな」
「あ、ちょ、答えはなに?」
俺は答えずして家に苦笑しながら走って帰る。
これ以上情報を教えすぎると俺、蒼のハンティングの計画をバレてしまうところだったな。
でもこれでいい、霜端の中に疑問があったら麗七人は連絡を行っていつか正解がわかるはずだから。でも、蒼井の方が早く気づきそうだな。
疑問という餌を与えることで狩りができるものだ。
一章end
復活すると友人でした〜もう知らない 隴前 @rousama
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