第29話 明日になることも楽しみにしている。
俺は窓から外見て、ニヤッとして教室に残る。
なぜかは知らないが蒼井は俺が残る理由を聞いて来なかった。いい友達だな。
まず蒼井は蒼のハンティングなんて知らない。もし知っているなら麗七人から俺に警戒をするように言われるはずだ。
「ちょっといいかしら」
クラスの戸が開いて後ろから声を掛けられる。予想通り来ると思ったよ。
さてニヤケているのを意識してやめて振り返る。
「なんだ?」
俺はまるで用事がこれからあるような少し危機感と急ぎを持った感じで言う。
「時間がないから率直に聞くわ、蒼井から離れて」
予想されていたことを言われる。では、
「なっ‥‥」
しかし演技で驚いたようにする。しっかしうまいようにことが進んでいるな。まぁ悪い方へいっていないからいいけど。
「な‥なんでだ?」
これまた恐る恐る演技をして聞く。騙さないと計画に感づかれるかもしれない。
「別にいいでしょ、あと明日から一週間以内に離れなかったら私に告白したことをバラすから、もし断ったら告白に断ったのに襲われかけたと嘘を付け加えるから」
「くっ」
いやー、演技は三回連続でしないといけなくなるとはな。というか俺の演技が上手いのか御珠が見分けるのが下手なのかわからないな。
ここは計画通りしていくことにしよう。
「分かった、なんとかして手段を選ばず離れるが、それでも蒼井から寄って来たら、それについてはどうしたらいい?」
ここがポイントだ、蒼井は俺に友達としての情があるから粘ってくるかもしれないと懸念しているところを聞いておく。心配で聞いているのだ。
「それは仕方ないわ、それなら一週間の間離れるよう頑張っても蒼井から来ていたらまた話しましょう」
「わかった」
俺の返事を聞くと御珠は帰っていった。
俺は誰から離れるかは明言していない。つまり御珠はそのことを気づいていなかった。計画の第一段階の盛り上がりまであと少しか。
ククク、俺は心の中で笑う。
スマホを取り出して夜に実行できるように仕掛ける。
「これでよし」
そう呟き、廊下に出て帰ることにした。
俺は夜になることも楽しみに待ちそして明日になることも楽しみしている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん」
私は屋上に来ていた。まだ夕方であったが時期は冬に入りそうなので風は少し寒いが我慢してスマホで報告する。
空布『なんとか明日から一週間以内に離れるように言ったら素直に返事をしてくれた』
霜端『了解です‥‥』
文面から霜端の元気がないように覚える。なぜだ?
曖灯『分かりました、でもなんで素直に引いたんでしょうか?』
頂利にとってはいいことだったのか?なにかあるはずだ。
水薦『そこについては追々でいいんじゃないでしょうか?今は蒼のハンティングがなにをするのか警戒した方がいいですよ、実際私は学校の裏サイトを確認しています』
薫『私の予想を言ってもいいか?』
紫霧『どうぞ』
霜端『どうぞ』
薫『ありがとう、では、私の読みでは頂利が素直に引いたのは蒼のハンティングがなにかしたのか気づいたのかもしれない、もしくは蒼のハンティングと頂利はなんらかの関係がある。この二つだと思っている』
確かに薫先輩が言ったことの前者ではないだろうか?だって頂利と蒼のハンティングに関係性はないと思うだってそれなら頂利は蒼のハンティングに協力しないはずだ。
あと体育祭で蒼のハンティングが放送した時、頂利は混乱せずにどういうことなのか考える素振りをしていた。
水薦『今ごろなんですけどなんで頂利は蒼のハンティングを知っているんだろう?』
霜端『涯がブルー狩りに襲われた時に私が蒼のハンティングと言ってしまいましたが、もしかしたら調べたとか?』
水薦『なるほど、それも一理あるな、蒼のハンティングは一体なにをしたいのか分からなくなってきた、最初は蒼井への嫌がらせかなっと思ったら違う行動をしているし』
そうだ、蒼のハンティングがなにをしたいのか分からないが頂利はなにかを知ってりうことが分かった。
空布『今日ここまでにして、帰ります、屋上に居るので』
そう送信してスマホを片付け帰ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます